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余すところなく、欲しい② ※
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しばらくゆったりとした動きで揺すられ、緩やかな快感に浸った。肌を重ね合わせることがこんなにも満たされるものだって、蓮矢に教えてもらった。
「稔…」
「うん…?」
おもむろに蓮矢の口が開かれ、ぽつりと呼び掛けられる。ぼんやりと蓮矢を見つめると、珍しく不安げに揺れる表情だった。
「俺は…稔を困らせてばかりだ」
「え…何で?そんなことないよ?」
「さっきだって、無理矢理外に連れ出してしまったし、こんな…醜い気持ちを持ってるから」
「別に無理矢理じゃなかったけど…、あと醜い気持ちって、なに?」
じっと見つめながら返答を待つと、蓮矢は目線を落としながら、ぎゅう、と抱きしめてきた。
「…………河瀬くんに嫉妬した」
「…えっ?!」
思いもよらない話だった。
何で河瀬? 河瀬とは普通に友だちなだけなのに。
「稔と仲が良さそうで、距離も近くて」
「秀隆とはそんなんじゃないよ。そもそも、蓮矢との仲を応援してくれてるし…」
「…」
蓮矢の不安げな表情は変わらない。
でも…確かにせっかくのデートだったのに、第三者がいたら嫌、だよな。
「ごめん…本当は二人で回る予定だったのに…結局大人数で回ってたよな」
しゅん、としながら俯くと、優しく撫でられた。
その優しさにまた心があったかくなる。
「だから…嫉妬なんてしたから…さっきまですごくどす黒い気持ちがあって」
「どんな…?」
「……また稔のこと、閉じ込めたくなった…」
「前みたいに?」
「そう…そうすれば稔には俺だけしかいないから…俺以外に可愛いところを見られる心配もない。でもそんなこと、稔は望まないって分かってるから」
「俺は…」
ふと監禁されていた時のことを思い返してみる。
甘く優しく、俺のために何でもしてくれた蓮矢。
見えなかったし、蓮矢だって分からなかったから怖かったけど…今の状態で監禁されても怖さなんて何もないな、と思った。
「…蓮矢になら何されてもいいよ」
「そんなことを言ったら、本気にするよ」
「いいけど」
きっと今まで以上に優しく甘やかしてくれると思う。それはとても甘美な誘いだ。
「でもそうするとさ、仕事やめなきゃいけないかな」
「…本気で言ってる?」
「本気。でも俺は蓮矢に養われてるだけじゃ嫌なんだよな…閉じ込めるのさ、土日だけとか、夜だけとか、だめかな?あ、でもそうすると蓮矢以外にも会っちゃうか…」
「…稔…」
「俺、蓮矢が思ってるより、蓮矢のこと好きだよ」
そっと口づけると驚いたような顔をされた。
蓮矢を不安にさせてるのは俺だ。
だからなるべく安心させてあげたい。
「今日は…不安にさせてごめん」
「…今独り占めできてるから…不安なんて吹っ飛んだよ」
「ん…っ」
押し倒され、律動が再開される。
キスをしながら、足を絡め、相手の体温を感じ…
こんなこと蓮矢以外となんて、したくない。
蓮矢じゃないと嫌だ。
全部全部、蓮矢にあげる。
だからいつもみたいに笑って欲しい。
「蓮矢…っ、好き、だ」
「俺も、稔が好きだよ…っ」
俺をこんなに満たしてくれるのは、蓮矢だけだ。
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