アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
どれほど望んでも⑥ (河瀬視点) ※
-
例えば誰か別の奴と話していたとか、朔より違う用事を優先したとか、電話に出ないとか。
そんなことがある度に、朔の束縛の度合いが増していった。
「だから…気付かなかったんだって」
「あとでメールくらい送れただろ?」
「別に今日会う約束してたんだし、会ってからでもいいだろ。用件だって急ぎじゃなかったし」
「俺は毎日お前の声が聞きたい」
「……」
その日も朔の家で詰問されていた。
前日に朔からの電話に出られなかった。気付いたの夜中だし、どうせ会うし、まぁいいやって思ってたけど、どうやら朔は違ったらしい。
「…朔さぁ、恋人と長続きしないだろ」
「ああ」
「即答かよ」
「俺なりに頑張ってんのに、みーんな『重い』だの『怖い』だの言うんだよ」
「ま、実際…重くて怖いよな。そう思うのは普通じゃね?」
「お前までそんなこと言うなよ」
後ろから抱きしめられ、擦り寄られる。
引き剥がそうとすると、首筋にビリっとした痛みが走った。
「…っ、痛ぇ」
「他の奴は別れてもいいけど、お前はダメだ。お前はずっと俺のもん」
「重すぎ」
血の滲む首筋を押さえながら、立ち上がろうとした。でも、立ち上がれない。足に力が入らない。手をつく。視界が歪む。まぶたが重い。
「あ、…?」
「意外と効くもんだな」
「…は?」
「ヤバいクスリじゃねーよ。ただの睡眠薬。最近お前、俺以外に意識向けすぎだからさ…ちょっと、分からせようと思って」
「…なに…、を、」
「お前は誰のもんなのかってさ」
ニヤリと微笑む朔は、狂暴な光を目に宿していて、普通じゃなかった。
それで、それからのことは記憶が曖昧だ。
「…っ、あ……やめ、ろ、…も…むりだっての…っ」
「無理じゃねぇよ。いつもみたいにもっと可愛いこと言えよ」
「かわいい、ことなんて…言った覚え、ねぇけど…っ」
「そうか?無意識って怖ぇな」
そんなことを言いながら、朔が大きく揺する。
ビクッと跳ねる体が嫌だ。
「…っ、あ…!そこ、突くな、んっ…ぐ…」
「なんで。ここ好きなくせに」
「ひ、っぐ…あ、…ぐ…っ」
何度も何度も突かれて、抉られて、気を失っても目を覚ましたらまた犯されて。
時間も体の感覚もマヒした。
いつの間にかベッドの柵と手がくくりつけられていて、身動きもとれなくなった。
何で、とか、どうして、とか、そういうことを考える暇もないほど朔は俺をぐちゃぐちゃに乱した。
「ずっと一緒に居てやるからな」
まるで呪縛のような言葉を、紡ぎながら。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 103