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小テストの結果
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誠が静と敦がいる教室に着いた時には、静は敦の問題用紙を見ていた。
敦が祈るような気持ちで自分の席で下を向いていると、採点をを終わった静が敦を呼ぶ。
「敦、おめ…でとう……満点…だ……」
「マジか! やったっ!」
敦が喜んでいる姿を見て、自分だって頑張ったんだからと誠は問題用紙を静に渡す。
「静、僕のもよろしく」
パラパラと問題用紙をめくる音がいつもより大きく聞こえる。
「誠」
呼ばれて勢いよく顔を上げて誠は静を見た。
「おし…かった……1問…間違って…る……」
ここ、と言われて見たところは何時もなら難なく解けている問題だった。
今見てみて、明らかに間違っていることが分かる程だった。
それは1番初めに解いた問題で、緊張が抜け切れていなかったのだろう。
悔しさがドンドンと広がってきて、誠はポロポロと涙を流す。
「何泣いてんだよ。間違ったのが1問だけで喜んでるのか?」
「違うっ!…ヒクッ……悔しいよぉ〜うわぁ〜ん」
盛大に泣き始めた誠に一瞬だけ注目が集まるが、すぐに自分達の話しに戻っていく。
「約…束……守る…から」
静がそう言うと誠はブンブンと首を横に振った。
「え? その為に勉強したんだろ?」
敦の言う通りだった。でも、いつからだったか勉強するのは自分の為になっていた。
「そんなっ…問題……間違って、おいて…生徒会長に…会えないっ…よ」
誠の目は真剣だった。
本気でそう思っている事が伝わってくる。
『分かった。自分で雪人に会えると思ったら言って。その時に紹介するから』
静をは涙を流している誠の頭に手を置くと紙を渡す。
涙を拭ってその紙を読むと、誠はコクンと頷いた。
その後学校からの小テストの結果が廊下に貼り出された。
入試の結果が加味されているため、1位は静のままだった。
敦は順位を10位まで上げていた。
そして驚きなのは誠の順位だ。入試の順位も()内に書かれていたので、本当に度肝を抜かれるほどのジャンプアップだった。
その順位を誠は信じられない気持ちで見つめる。
「35位?! 僕が?」
次回は静と敦と同じ教室で試験を受けられる順位だった。
「あの問題合ってたら18位だったな」
後ろから敦にそう言われ、誠は頭がクラクラしてしまう。
「静の言ってたオレ達で1〜3位独占っていうのも、実現出来る気がしてきたな」
周りには聞こえないように小さな声で敦は言ってニヤリと笑う。
誠は笑う余裕などなく、ただただ信じられない気持ちでその順位表を見ていた。
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