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写真選び
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これからは僕たちの役目。
写真集のレイアウトだ。
まず数百枚という膨大な数の中から、写真集に載せる30前後の写真を選定する。
そして、色彩や雰囲気に合わせてグループ分けをする。
次に、表紙やその本の一貫したデザインを考えて、写真を配置。
コミックスの見出しのように、最初のページに主題となる写真を一枚ババンと持って来くる。
そして次のページから各ページ毎に1〜3枚の写真を貼り付けていく。
この作業は大体3時間ほどで終わった。
ほっと一息ついて島くんのパソコンを見ると、彼はあと少しというところだった。
彼が終わるのを待って、次の行程に移ろう。そう思ってパソコンを見ると、写真の横に開くスペースが気になりだした。
僕は遊び心で説明文や撮影時に交わした会話を書き入れていく。
それに気付いた西村部長やアキラ先輩が僕の椅子の後ろにやってきた。
そしてやいのやいの野次を飛ばす。
中々に行程が終わって来た。
と、突然島くんの動きが止まる。
「先輩ー。この写真入れちゃって大丈夫っすかね」
彼にはボーイズラブの写真集を任せている。
「確かに、これは体裁的にマズいかも…」
僕も悩む。
画面を覗き込むと、昨日の花見の時の写真だった。
桜の樹の下で、僕が島くんに襲われている姿。
セーフかアウトで言ったら、完全にアウトだろう。
「大丈夫、大丈夫」
部長がテキトーに返事する。
「説得力ないんですけど…」
僕の反論も虚しく、島くんが先輩の援護射撃を打った。
「やっちゃダメなんて校則ないっすもんね」
そうなのだ。
この学校は校則が無い。
制服は別に着なくていいし、授業も単位が取れて入れば別段参加しなくていい。
ただひとつだけ。
過去に鉄の下駄を履いて登校した生徒が、廊下を傷つけたという理由で、鉄下駄は禁止されているのみ。
「いやいや!かなり風紀乱しちゃだめでしょ!」
「男同士なんか見ても、俺は勃たねえよ」
部長はゲラゲラ笑いながら言葉を吐く。
島くんも釣られて笑った。
「レンはどう思う?」
助け舟を出す。
彼なら僕の言い分を分かってくれるだろうと思った。
「やってから怒られればいいんじゃない?」
しかし、彼はさほど深く考えていない様子だった。
「じゃあ決まりだな」
それからは早かった。
ツイッターに写真とともに近況報告を載せ、印刷所にアポイントを取る。
先に簡単なレイアウトをファックスで送る。
すると、担当の人から電話で了承が出た。
順調に進んでる。
僕らは明日、USBを持って放課後に伺うことになった。
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