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episode.5クリスマス
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〜奏多side〜
12月25日
「「かんぱーい!」」
先週末から大学は冬季休暇に入り、今日はみんなでクリスマスパーティー。
奏多は同学部の友達、遠藤陽生(えんどうはるき)と南方智夜(みなかたともや)と一緒に、女子たちと焼肉食べ放題に来ていた。
他にも男子は何人かおり、なんとなくみんなでパーティーをする、というざっくりした目的で集まっていた。
奏多の隣は、さっきまでいた陽生と智夜がいなくなって、女子に囲まれる。
「奏多くん、今日の夜のお相手は決まってるの?」
どストレートすぎてもはや清々しい。
「んー、まだ決めてないよー。」
「じゃあ今夜は私とどう?」
「奏多くんあたしはー?!」
「んー、帰るまでに一番可愛かった子のお家にお邪魔しようかな。」
「「きゃーっ!」」
一気に盛り上がる女子たちに、奏多はクスクス笑う。
「おーい、奏多ぁ。お前1人で女子独占すんなよー?」
「そんなつもりないって。」
「おらおら、俺たちも混ぜろぉ!」
学部内はみんな仲が良く、こうしてワイワイとやることもできる。
(今日はどの子と過ごそうかなぁ…)
奏多がそんなことを考えていた時だった。
「あれ見てっ!賢杜様だ!」
「えっ、どこどこ?!」
一部の女子たちがザワザワとして店の入り口に目をやる。
(賢杜様って、まさか。)
「…なんだ、お前もいたのか。」
ふっ、と鼻で笑うようにそう言ってくる男。
「…いちゃ悪いのかよ。」
奏多の予想通り、内田賢杜だった。
「えっ、奏多くん、内田先輩と知り合いなの?」
「まあ…ルームシェアしてるから。」
女子に聞かれて、渋々答える。
「また今日も外泊か?」
隣のテーブル席についた賢杜が、こちらに目をやってそう聞いてくる。
「…内田には言わなくてもいいだろ。」
「なんだ、知夏に言い訳しておいてやろうと思ったのに。」
「えっ、知夏って、経済学部研究所の院生の亀井先輩?」
「え、あ、うん。」
奏多が賢杜に何か言うより前に、周りの女子たちがワァキャァ言う。
奏多のシェアメイトは学内で有名すぎる。
「知夏にまた怒られるぞ。」
「内田には関係ないじゃん。」
「えっ、もしかして奏多くんの彼女?!知夏先輩が相手?!」
「え?!」
それは違う、という前に話がかなり盛り上がる。
「えぇ、知夏先輩相手じゃ敵わないなぁ。」
「奏多くん、夜のお相手いるんじゃーん。」
からかうような口ぶりでそう言ってくる女子たち。
奏多は賢杜の方を向いた。
「おい、誤解招くようなこと言うんじゃねえよ。」
「誤解?毎日口説き倒してるくせに何言ってる。」
「きゃあ、毎日口説いてるの?!もう、奏多くんさすがぁ。」
「おい内田!いい加減にしろよ。」
賢杜はなんだかバカにしたように、くっくっと笑った。
(ムカつく。)
「俺は知夏と関係があるもんだと思ってたがな?いや、月乃か?」
「はぁ?!」
いい加減にしろ。
そう思った奏多が立ち上がる。
すると突然賢杜に腕を掴まれた。
「は?!おい、ちょっと、何してんだよ!」
「いいから帰るぞ。悪い、埋め合わせはまたする。」
賢杜は一緒に来ていた友人らしき男にそう言って、その友人もそれを苦笑いで受け入れた。
(いやそこはさ、普通止めるよな?)
「え、奏多帰るん?」
「カナ、埋め合わせ。」
不思議そうに聞いてくる陽生と、なぜかこの状況を受け入れ、早速埋め合わせの提案をしてくる智夜。
止めろよ、と願う奏多の思いは、2人には届かない。
「奏多くん帰っちゃうのー?」
「今度はマナとも遊んでねー!」
甘ったるい声を聞きながら、賢杜に腕を引かれて、奏多は店を出る。
予想以上に力が強く、振り払えなかった。
「おい、離せって!なんなんだよほんと!」
賢杜はズンズン進んでいき、しかも何も言わない。
街はイルミネーションでキラキラしていて、周りはイチャつくカップルばかりだ。
クリスマスという、女の子とエッチするのに最高のシチュエーションの日に、なぜ男のこいつなんかと帰らなければならないのだろう。
奏多はそう思い、さらにイラついた。
「おい、お前本気で帰るつもりかよ!」
「当たり前だ。」
やっと答えたと思えば、それだけ言って、賢杜はまた黙る。
奏多は、シェアハウスまで引っ張られるようにして連れ帰られた。
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