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#episode.36 電話
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〜奏多side〜
「あがって。」
講義後、なんとか智夜と陽生を振り切ってイチのところに行った奏多。
その後イチの家に連れてこられた。
「…お邪魔します。」
きちんとした挨拶をしなさい、というのは、小さい頃母によく言われた。
それだけは、どんな時でも守らないといけないと思っている。
「さて…まあ回りくどいのも面倒だし、こっち来て。」
イチはそう言うと、いきなり寝室に連れ込んだ。
分かってはいたが、やはりセックスする気らしい。
「……シャワー、貸せよ。」
「…へー?準備してくれるの?」
「…ローションくれるならな。」
どうせヤるなら痛くない方がいいし、シャワーも浴びておきたい。
自分の方の準備なんてしたことは無いけれど、何度か男も抱いたことはある。
何をすればいいかはわかっている。
「わかった、いいよ。それくらいの自由はあげないとね。」
イチはまたいたずらっぽく笑う。
この男は、どちらかといえばモテている方のイメージだ。
こんなことをしなくても、相手はいる気がする。
「…お前、俺なんか抱かなくても相手いるんじゃねえの?」
「言ったでしょ、顔がよければ誰でもいい。君もそのうちの一人、ってこと。」
なるほど、奏多1人ではない、ということらしい。
「まあ、今は君が一番のお気に入りだよ。前のお気に入りは、俺が自分から捨てちゃったからなぁ。」
「はっ、お気に入りのくせに捨てたのかよ。」
「俺のことを好きで、健気で可愛い子だったよ。でも、その時はそうは思ってなかった。都合のいい子だなぁって。今となっては、少し後悔してるよ。」
とにかくこの男はクズだと思った。
性生活においては、奏多も人のことを言えないが、人の気持ちを利用してセックスをしたことなんてない。
好きだ、と言ってくれる子には、セックスはするけど付き合うことは無い、とはっきり言ってきた。
あくまで、遊びだ、と。
それでもいい、抱いてくれ、と言った子は抱いたし、じゃあさようなら、と言われればさよならした。
「俺はあまり気が長い方ではないから、早くね?」
そう言われて、奏多は浴室に向かった。
*
「遅かったね。待ちくたびれたよ。」
「…悪かったな、慣れてねえんだよ。」
他人したことはあっても、自分にするとなると勝手が違う。
思った以上に手こずった。
「…っ、ん、ふ…おいっ、やめっ、は…んっ…」
グイッと腕を引かれ、ベッドに押し倒された。
そのまま唇を塞がれ、やめろ、と言う間もなく舌を絡められる。
「言ったでしょ、待ちくたびれたって。」
そう言われ、せっかく着た服を次々と脱がされる。
イチにされる時に全裸になったのは初めてだった。
「…なんだよ。」
「綺麗な体してるなと思って。グチャグチャにしてやりたくなる。」
イチはそう言うと、胸やモノを愛撫し始めた。
「っ…ん…」
特別上手いわけでもないが、モノを触られればそれなりに気持ちいい。
「へぇ…ちゃんとほぐしたんだね。」
後孔に指を入れられ、違和感が襲ってきた。
そのままグチュグチュと中を触られるが、あまり気持ちいいとは思えない。
(…そういえば…内田とした時は、気持ちよかったな…)
奏多は思わずそんなことを思った。
それから、何を考えているんだろう、と自分が嫌になった。
「何考えてるの?まだまだ余裕みたいだね。」
「ひっぁ!」
ぐりっ、と中の一点を刺激され、目がチカチカする。
「見つけた。君のいいところ。」
ニヤニヤ笑うイチは、ものすごく嫌な感じがした。
イチは下の服だけ脱いで、奏多を四つ這いにさせて、後ろからモノを後孔に押し付けてくる。
「っ、いれんなら、ゴムつけろよっ…」
「え?なに?」
「っ、あ、ーーっ!」
「あはは、入っちゃった。」
一気に奥まで入ってきて、奏多はベットシーツを握りしめ、枕に顔を埋めてその刺激に耐えた。
その時だった。
ベッドの脇に置いておいた奏多の荷物の中、スマホが震えた。
「誰からかな?」
イチは中に挿入したままで、奏多のスマホを手に取った。
「SHOSE A…君のバイト先からだね。」
「っ、あとでかけなおす、から…」
奏多はそう言ったが、イチは奏多の指紋を使って勝手にスマホを開けると、通話ボタンを押した。
「っ!や…」
『もしもし、林くん?』
やめろ、と言いかけたが店長の声が聞こえて、奏多は口を噤んだ。
イチは、今日1番ニヤニヤと笑っていた。
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