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episode.51 報告会
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〜奏多side〜
1月21日
土曜日はバイトだったので陽生と智夜の誘いを断り、日曜日の今日、3人は喫茶REI 78にいた。
話の内容が内容なため、個室を貸してくれるREIに来たのだ。
「で、どういうことなの?」
早速、話を切り出してきたのは陽生だ。
智夜は木下が持ってきてくれたアイスコーヒーを飲んでいる。
「どういうこともこういうことも、付き合う。以上。」
「それで納得すると思ってんの?!」
「…まあ、いろいろあって。フリだよ、恋人のフリ。」
「セックスするのか。」
「身も蓋もないな…トモ。」
「そこ大事でしょ!イチに無理やりされてたんだから!」
「セックス込み。あいつはそのつもりみたいだし。」
「なんでセフレじゃなくて恋人なの?意味わかんないよ。」
「それは俺が聞きたいっつの。あいつの言い分では、互いに相手避けができていいだろ、ってことだけど。」
「…まあ、イチみたいなやつは、カナに手出しにくくなるよな。」
「それはそうだけど…」
智夜は大して表情を変えないが、陽生はコロコロと表情を変える。
なんだか引っかかることがあるようだ。
「心配すんなって。別にデートとかするわけじゃないし、嫌な時は嫌っていうし。むしろ恋人なら、拒否したら従ってもらえそうじゃん?」
「まあ…そうだけど…」
「内田さんはカナをどうしたいんだろうな。」
「それは俺が聞きたいよ…ほんとあいつ、何考えてんのかさっぱり。」
奏多にはメリットもあるこの契約だが、賢杜には大したメリットがないように感じられる。
相手避けなら、友人の悠汰とできている、とでも言っておけばいい。
セックスなら、女を引っかければ十分だろう。
奏多に構ってくる理由は、さっぱりわからない。
「まあ…なんかあったらすぐ言ってよ?1人で抱え込んだら…今度は許さないから。」
本気モードでそう言ってくる陽生に、奏多は無言でブンブンと首を縦に振った。
陽生を怒らせるのは、まずい。
「体は、平気か。」
「ん?んー、まあ。昨日バイト先で顔色悪いって言われたけど…そんなにだるさはないよ。」
まだ筋肉痛みたいなものは残っているけれど、さほど辛くない。
「ならいいけど。」
「問題は今日からだよ…内田ってどんくらいの頻度でセックス求めてくると思う?」
「知るか!!俺たちにきかれてもわかんないわ!な、智夜。」
「…週4。」
「答えんのかよ!しかも多いな!!」
「むしろ毎日してそうだよな…」
「わかる。」
「俺は無視?!」
陽生のツッコミに、奏多が吹き出し、智夜も笑う。
「てかシェアハウスなのに、そんなに頻繁に求めてくるかなぁ?さすがにないんじゃない?」
陽生も結局真面目に考えてくれていて、奏多は本当にいい友人を持ったな、と思う。
「まあ……大声出したら聞こえるしなぁ…」
「シェアハウスのみんなには言うの?」
「いや、言わない。…っていっても、同じ大学だからすぐ知れちゃうかもだけど、その時は嘘だよって説明しようと思ってる。」
「相手避けのためだ、って?」
「うん。セックス込みとか、色々めんどいじゃん?だから、割愛。」
「…いいのか、そんなんで。」
「まあ、いいっしょ。涼兄にさえバレなきゃバレないと思ってるし。」
すでに涼には、賢杜とセックスしたことがバレているということを、奏多はしらない。
「奏多ってこういうとこ、どうにかなるよ精神ある。」
「わかる。」
「ちょっと適当だよね。」
「それ。」
「…さり気なく貶すのやめて?」
和やかな昼。
夜に、なんとかなる、なんて思っていたこの時を後悔することになるなんて、奏多は思いもしないのである。
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