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#episode.53 キス
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〜奏多side〜
帰宅し、涼を除く4人でご飯を食べたあと、部屋で春休みの課題をやっていた奏多。
そこに、ノックの音がする。
「はーい、どーぞ。」
課題に目をやったまま、返事だけして問題に取り組む。
今度大学に行ったら本沢に聞こう、というところに印をつけ、振り返ろうとしたときだ。
「うわっ、なになに?!」
後ろから抱きしめられ、慌てる。
こんなことをするシェアメイト、思い当たるのは1人だ。
「お前なんなの?!急にそういうことしたらびっくりするだろ。」
「こっちを見ないお前が悪い。」
無茶苦茶な理論だ。
というか、かまってちゃんか。
心の中でそう突っ込み、呆れる。
「で、なんなの?課題を邪魔したからにはちゃんと理由があるんだろうな?」
「当たり前だ。」
何の用だろうか、と考えている奏多を、賢杜がグイッと引っ張る。
「ぅわっ、なに、えっ。」
あっという間にベッドに連れ込まれ、賢杜が覆いかぶさってきた。
「え、なんなの?一応、俺まだ体調万全じゃないんだけど。」
「あのクソ野郎に触られたのはどこだ?」
「…へっ?」
「仮にも俺の恋人になるんだ。前の男の痕跡なんて残したくない。」
何を言っているんだこの男は。
その一言に尽きる。
「束縛すんなって言ったじゃん?」
「女は好きにしろ。野郎は許さん。それにあいつとはお前が合意じゃない時点で許すつもりは無い。消毒だと思え。」
いや、なんのプレイだよ、と思った。
AVだってこんなことしないだろう。
ゲイものは見たことないが。
「どこだ?ここか?」
「っ…」
本気でやる気だ。
「それとも、ここか?」
唇から、首筋、鎖骨。
どんどん賢杜の指がしたに滑っていく。
「…このいやらしい乳首か?」
「いやらしくねえよお前バカか。」
さすがに気分も乗っていないのに、いきなり胸で感じるほどは慣れていない。
「最初からここで感じていたくせに…なにを今更。」
とはいえさすが、賢杜も手つきが慣れている。
すぐに芯を持ったそこは、奏多の意思とは関係なく、快感を拾いはじめる。
「ここは触られたか?」
腰を撫でる手つきがエロい。
「…当然、ここは触られたんだろう?」
スリ、とズボンの上からモノをなぞられ、その指がそのまま後ろに。
「ここも…」
耳元で、低い声で囁かれて、ついドキッとした。
「この程度で頬を赤く染めて…あいつをつけあがらせたのは、お前にも責任がありそうだな?」
深い青にも見える、黒い瞳。
全て飲み込まれそうになる。
(だめだ、こいつのペースにのまれたら。)
「…仕置きだ。」
ニヤリと笑う賢杜に、顎をつかまえられた。
不思議と、嫌だとは、思わなかった。
だから、拒否なんて、出来なかった。
「…んっ…ふ…」
イチとは違う、荒々しさのないキス。
俺様のくせに、丁寧なキスなのだ。
「っ、ふ…は…ぅ…ん、っ…」
舌を絡められ、唇を吸われ、舐められ、歯列をなぞられる。
気持ちいい。
もっと欲しい、と自分から舌を絡めにいけば、賢杜はそれを焦らすように舌を引っ込めた。
「ん…っ、ふぅ、ん…」
甘ったるい声が鼻から抜けて、唾液がこぼれそうになる。
チュ、クチュ、と唾液の音が部屋に響く。
手をさりげなく押さえつけられ、足も賢杜の体重で動かせない。
絡まり合う舌は熱くて、重なる唇は震えた。
名残惜しいとでも言うかのように、軽く下唇を食んで離れた賢杜の口元を、目で追ってしまう。
「お前、あいつにもそんな顔したのか?」
それには答えなかった。
イチには、こんなに気持ちいいキスをされていない。
そんなこと言うのは、癪だったのだ。
奏多が答える気がないとわかった賢杜は、そのまま行為を続行し始めた。
奏多のシャツを捲り、胸を撫で回してくる。
キスで気分を乗せられた奏多は、その刺激にもピクリと反応した。
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