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#episode.79 儚い
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〜賢杜side〜
「ん、ふ………んん、う、は…」
甘い声を上げて、頬を赤く染める奏多。
「は……ん…っ、ん……」
胸を責め立てれば、奏多の先走りで下着が濡れた。
「……ふっ、いやらしいな。シミになってるぞ?」
「うるさいな……さっさとヤって終わらせようぜ。」
「情緒のないやつだな。」
ごっことはいえ、もう少し恋人らしく、甘い雰囲気を出す気にはならないのか。
「せっかくとろけさせてやろうと思ってるのにな?」
「ひぁっ……」
そんな奏多も、耳を舐めれば蕩けて、甘い態度になる。
耳たぶを食み、耳の裏を舐める。
くちゅ、くちゅ、じゅる、とわざと音を立てた。
「ひ、んっ、あ、やぁ…」
「くくっ…弱すぎだろ。」
「んんっ!」
モノの先端を刺激すれば、ビクリと体を跳ねさせた。
「はやく、ねえ……」
賢杜のモノをズボンの上からさする奏多はものすごくエロい。
「このビッチ。」
「ビッチじゃねえし……抱かれたことあるの、2人だもん。」
ボソリと呟いた奏多に、イラッとした。
2人、だなんて。あんな男と並列なのが嫌で仕方がない。
「ほぉ?2人、ねえ?」
「…知ってんだろ、お前も。」
「あいつのあれはセックスじゃねえだろ。」
あんなクズ。
奏多を無理やり抱いて、快感を与えるどころか苦痛ばかり。
「え、あ、んんっ、あ!」
思い出したら腹が立ってきた。
こいつの中から、イチを排除してやろう。
そんな気持ちになった。
「あんなの数に入れるな、馬鹿野郎。」
そう言うと、奏多はびっくりした顔をしてから、顔を半分隠す。
「……うん。」
なんだか、あまりに儚い。
今にも消えてしまいそう。
けれど、表情は柔らかい。
奏多にとって、心を許すことは、消えることと同義なのだろうかとさえ、思った。
「大体、本当にビッチなんて思ってねえよ…あれは言葉のあやで、その場を盛り上げるための嘘っぱちだろうが…」
思わず、慰めるような、弁解するようなことをペラペラと喋ってしまった。
らしくもないし、似合わない。
「……んだよ。笑うなよ。」
「ふふ、だって。」
「似合わねえってか。わかってるよアホ。」
「…………ありがと。」
奏多はそう言って、ふわりと笑った。
綺麗で、温かい、けれどやはり儚い顔だった。
だが、ベッドでその顔をするなんて、煽っているとしか思えない。
「…お前…今夜は寝かせねえぞ。」
「え、なんで?」
「クソ、自覚しろ。」
きょとん、とする奏多にお構いなく、後孔の愛撫を始める。
「っ、ん……は…ぁ、あっ……」
前立腺を擦れば、きゅっ、きゅっ、と賢杜の指を締め付けてくる。
「…お前、感じやすいよな。ずっと思ってたけど。」
「…それは、っ…」
ぎゅっ、と顔が歪んだ。
イチとのことを気にしているのはバレバレだ。
「まあいい。ここはまだ開発途中だしな。」
とんとん、と胸を指で叩く。
「それに、こっちも。」
耳も撫でると、ぴくっ、と体が震えた。
イチのことなんか、これっぽっちも思い出さないよう。
全て、塗り替える。
「…おまえだけに、染める的な…?」
声に出してしまっただろうかと思った。
だが、違ったらしい。
「……っとに、てめえ…」
はぁぁぁ、と深いため息をつく。
どうにも、今日の奏多は素直だし、可愛いし、煽ってくる。
まったく、勘弁して欲しい。
そんな奏多に惑わされたか、いつもは抱き潰してしまうところを、今夜は1度でおさめ、奏多の意識がある状態で終わった。
いつもより縋ってくる奏多に、優しくしたい、なんて、思ってしまった。
いや、優しくしなければ、と思った。
脆く崩れて、消えてしまいそうなこの男を、優しく抱きしめてやらないと、と思ったのだ。
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