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episode.93 変な行動
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〜奏多side〜
2月19日 7時
「おはよー…」
「おはよう奏多。」
奏多は目が覚めてしまい、珍しくまだ寝ていた賢杜を起こさぬよう、そっとベッドを抜けてきた。
リビングでは知夏が紅茶を飲んでいた。
「知夏姉さん早いねぇ……」
ふぁ、とあくびをしながら知夏の隣に座る。
「今日はちょっと遠出して買い物しようかと思って。奏多のバイト先が入ってるショッピングモールまで行こうかなと思ったの。」
「そっか…俺も行こっかなぁ。」
「また荷物持ちしてくれるの?」
知夏はそう言ってクスクス笑う。
「いいよ!知夏姉さんのためならもちろん。シフト確認のためにshoesAに行きたいし、一緒に行っていい?」
今週は靴屋のバイトは休みをもらった。
だが、次のシフトは今日出るから、早めに確認しておきたい。
「奏多がいいならいいわよ。賢杜から車借りる?」
「バスでもいいよ?」
「どうしようかしら?」
「んー、荷物なら俺持つし、バスにしよ?知夏姉さん、車運転したら疲れるでしょ。」
奏多はあいにく車は運転できない。
行きも帰りも知夏に運転させるのは申し訳ないし、せっかく自分が行くのに役に立たない気がする。
「じゃあバスにしましょ。10時くらいには出ようかと思ってるの。」
「うん、いいよ。」
話がまとまったところで、誰かが2階から降りてくる音がした。
「……おはようございます。」
「トモおはよ。」
「おはよう南方くん。」
「陽生は?」
「まだ寝てる。」
智夜はそう言いながら奏多の隣に座った。
「カナ、昨日ごめん。」
「んー?別にいいよ。」
智夜は膝枕のことを気にしているらしい。
賢杜もこのくらいなら、少しはしてやろうという気にもなるというのに。
そんなことを考えたからか、昨晩のことを思い出してしまった。
奏多は膝枕してもらったときは必ず、頭を撫でてもらったり、寝かしつけてもらったりしたものだから、つい、賢杜にもやってしまったのだ。
小説に夢中になっていて、すっかり油断していた。
「……おはよう。」
ちょうど賢杜が起きてきて、リビングに入ってくる。
それから、こちらをじっと見てきた。
「おはよう賢杜。」
「おはようございます。」
知夏と智夜が挨拶を返したが、賢杜の視線はずっとこちらに向いている。
「…おはよう…?」
奏多も挨拶を返すと、賢杜はこちらに向かってきて、わざわざ智夜と奏多の間に座った。
「ちょ、お前、狭い。」
「うるさい。」
「あのさあ、こたつに入れる場所他にも空いてるだろ。」
「俺はここに座りたい。」
「ガキかよ……」
俺様というより、もはやただのワガママだ。
結局、智夜がスペースを空けてくれたが、賢杜の最近の行動は変だな、と奏多は思った。
知夏が奏多たちのコーヒーをいれてくれて、他のみんなが降りてくるのを待つ。
月乃はすぐに降りてきて、知夏と一緒に朝食の準備をし始めた。
それが終わる頃には涼も陽生も降りてきて、全員で朝食をとった。
その後、月乃は短期のバイトに、陽生は1度家に帰って妹の様子を見ると言って出かけていった。
奏多は知夏の手伝いをしつつ、出かける準備をして、10時前に知夏と一緒にシェアハウスを出た。
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