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性活指導編『第10話』
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「夏樹、大丈夫か? しっかりしろ!」
市川の整った顔がこちらを覗き込んでくる。いつもは爽やかな顔が、今は怒りと不安でいっぱいになっていた。
「せ、せんせ……」
見知った顔が視界に入った途端、張り詰めていた糸がぷっつり切れてしまった。
恥も外聞もなく、夏樹は市川にすがり付いた。
「よしよし、怖かったな。でももう大丈夫だ。俺が守ってやるから、な?」
「……せ、が……るい……です……」
「え? なんだって?」
「先生が悪いんですっ!」
感情を抑えきれず、闇雲に市川を叩く。
「なんでもっと早く助けに来てくれなかったんですか! 先生が俺をこんな風にしたから……、先生に抱かれたせいで、俺……俺……!」
「夏樹……」
「責任取ってくださいよ、バカぁ……っ!」
怒鳴りながらボロボロ涙をこぼす。頭はもうパニック状態で、ただ市川に当たり散らすことしかできなかった。
すると市川はそっと夏樹を抱き締め、耳元で囁いて来た。
「……そうだな、俺のせいかもしれない。ホントにごめんな」
「せんせ……」
「ここじゃなんだから、今夜は俺の家に来ないか? そこでいろいろ話しよう、な?」
無言で小さく頷いたら、彼は優しく髪を撫でてくれた。
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