アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
会いたいかもね
-
それからなんやかんやと俺は週1くらいであの公園のベンチに通っていた。
諒太君は中学に入ってからサッカー部に入ったらしい。
毎朝、早くに朝練をするというのに俺がどんなに遅い時間にあのベンチに行こうとも必ず俺に会いに来てくれた。
それが、罪悪感でもあり優越感でもあった。
未成年とこんな時間に逢瀬を重ねているダメな大人。
でも、朝早く起きなくちゃいけないというのに、俺のためにいつ何時でも来てくれる。
その事実に居心地のよさを感じていた。
無意識のうちに、俺は諒太君の優しさに甘えて居たんだ。
「な、隆臣。今度、サッカーの試合があるんだけど。俺、スタメンに選ばれてるから。そのっ、見に来てくれないかな?」
彼と公園で会うようになって早、二年が経とうとしていた。
いつの間にかすっかり背が伸びて、男らしい体つきになってきた諒太君。
子供の成長はびっくりするくらい早い。
「試合?」
「そう。ダメ…かな?」
いつも生意気で偉そうな諒太君が俺を伺うような目で見てくる。
なんとも愛らしい。
ふむ。
中学生のサッカーの試合か。
保護者でもないのに見に行ったら不信に思われないだろうか。
「どこでやるの?」
「Sグラウンド。」
「あぁ。あの、川のとこね。」
そこは河川敷につくられたグラウンドで、通行人のふりして見てれば大丈夫かな。
「いつなんだい?」
諒太君が答えた日付は翌週の日曜日だった。
俺はきっと見に行くと約束し、その日は解散となった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 30