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ダメな大人でごめんね
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ぽつり、ぽつりと膝の上に握った拳に涙が落ちる。
なんで泣いてるのかも分からない。
悔しいのか。
辛いのか。
憎いのか。
「どしたの?隆臣?」
はっと顔を上げると諒太君がいた。
ここに来ておいてなんだけど、見られたくなかった。
いや、でも。
俺は無意識に諒太君を求めていたのかもしれない。
「なん、で?勉強は大丈夫なの?」
「隆臣が泣いてたから。泣きたくなったら慰めるって言ったろ?」
そっと横に座ると、ふわっと抱き締められる。
優しい腕。
「ありがと。ちょっとだけ、胸、借りるね。」
落ち着く。
「うん。」
「ダメな大人でごめんね。」
カッコ悪いな、俺。
だけど、落ち着いた。
明日、会社いきたくない。
けど、ちゃんと言おう。
もう二度とあんなことしないでくれって。
「もう、大丈夫。」
そっと諒太君の胸を押し返す。
「ありがとう。」
「うん。」
なんか。
もっと甘えたい。
「あ、あのっ。」
「ん?」
キスしてくれ、なんて。
俺から言ったらアウトだよなー。
次に言う言葉を失って、じっと諒太君の顔を見てしまう。
「いいの?」
じっと顔を見つめられて、ふわっと俺の頬を諒太君の大きな手が包み込む。
それから、触れるだけの優しいキス。
あぁ、やばい。
俺は間違いなく諒太君に惹かれてる。
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