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手を繋ぎたい
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「おはよう。朝から隆臣に会えるなんて、嬉しい。」
待ち合わせの時間に公園へ行くと、すでに諒太君が待っていた。
嬉しすぎて昨夜は眠れなかった、と、照れたような笑みで告げられてまた胸がきゅんとなる。
「行こうっ!」
こうやって、はしゃぐ諒太君は年相応の顔で、いつもの大人びた表情とはまた違っていて新鮮というか。
なんというか。
ヤバい。
俺、結構ハマっちゃてるかもしれない。
「今日は、どこへ行くの?」
「子供っぽいって思われるかもしれないけど、さ。俺、隆臣と遊園地行きたい。」
「いいよ。行こう。」
こうやって、並んで歩いて電車に乗って。
手でもつなげたらもっと恋人っぽく見えるのかなぁ。
なんて、考えてる。
「あ、そうだ。携帯買ってもらったんだ。連絡先、交換しよ。」
「え、あぁ。うん。」
こうやって、繋がりが増えて行くのはなんだか怖いような、嬉しいような。
「これでいつでも隆臣と話せる。」
「うん。」
や、もう恥ずかしすぎて素直に喜べない。
こうやって真っ直ぐに感情を向けられるとどうしていいのか分からなくなる。
「チケット買ってくるから、待ってて。」
あ、あれ。
これってもしかして、チケット代だそうとしてる?
それは流石に大人としてのプライドが許さないぞ。
「諒太君、それは俺が買ってくるから、待ってて。」
ぽんっと諒太君の頭に手を乗せる。
「…ぁりがと。」
俺は2人分のチケットを購入すると1枚を諒太君に渡す。
「はい。今日は俺のおごり、ね。」
「や、でも。」
「学生なんだから甘えなさいって。」
「うん。いつか、絶対返すから。」
それまで、君は、俺の事を好きでいてくれるかな。
なんて寂しい事を考えちゃったりして。
「行こう。何乗る?」
「お、俺っ。ジェットコースター乗りたいっ!」
そういって、俺の手を強引に引いてジェットコースター乗り場へ走る諒太君。
俺、実はこういうの苦手なんだよねー。
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