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手を繋ぎたい 2
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カタカタと音を立てて、コースターは坂を上っていく。
ひぃぃ。
高いよー。
「うわぁ。隆臣っ、見てっ!」
み、見れないよー。
「すっごく高い。」
分かってるよー。
はしゃぐ諒太君とうってかわって、俺は周りの景色なんか見る余裕もなく。
「っぎゃぁぁぁああああ!!!」
下降を始めるコースター。
俺、絶叫。
やだもー。
また諒太君にカッコ悪いとこ見せちゃった。
「大丈夫?」
ジェットコースターを降りると足がフラフラで、諒太君に手を貸して貰いながら下りる。
「うぅっ。大丈夫。」
「あそこのベンチでちょっと休もう!」
近くにあったベンチに連れて行かれる。
「よっかかっていいから。」
肩を貸してもらって少し休むと元気が出てきた。
「ごめん、ありがとう。」
「もっと、このままでもいいんだけどね。」
ぼそりと諒太君が言った言葉にちょっと恥ずかしくなる。
「ね、次、あれ乗ろう!」
あれやこれやと連れまわされて、気がついたら夕方だった。
「デートのラストと言えば観覧車じゃない。隆臣、観覧車、乗ろうよ!」
「うん。」
デートって言葉にちょっとときめく。
俺、今、諒太君とデートしてるんだ。
観覧車に乗り、お互いに向かいあって座る。
「あーあ。もう今日が終わっちゃう。帰りたくないなぁ。」
諒太君がつぶやく。
「う、ん。」
「あ、そろそろ頂上だ。」
下を見てた諒太君がおもむろに立ち上がると俺の方に席を移す。
「一回だけ。許して。」
徐々に近づく諒太君の顔。
そして、そっと触れるだけのキス。
一回どころじゃない。
もう何回もしているのに。
それでも、諒太君にされるこの触れるだけの優しいキスに俺は夢中になっちゃってるかもしれない。
「俺、すぐに大人になるから。だから。」
一旦、言葉を切る。
真っ直ぐに見られて思わず目を逸らしたくなる。
「待ってて欲しい。俺、隆臣にふさわしいかっこいい男になるから。」
「うん。」
手を握って。
人前じゃできないこと。
もうすぐ地上についてしまう。
名残惜しいが、俺たちはお互いの手を離した。
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