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お別れにはまだ早い
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その夜、仕事をさっさと切り上げて俺はあの公園へ向かった。
ベンチに座るとすぐに諒太君が来てくれた。
「お疲れ様。」
隣に座る諒太君。
ちらっと横を見ると、俺よりも高い位置の彼の視線と交差する。
いつの間にかこんなに大きくなっちゃって。
「それより、おめでと。」
「うん。」
照れたように笑う諒太君。
こういう顔はまだあどけない。
「あ、のさ。」
「うん?」
「まだ、もうちょっと先だけど、引っ越しても俺の事忘れないで。俺、毎日メールとか電話するし。たまにはここに来るから。」
「うん。」
「俺っ、まだ学生だし、頼りないかもしれないけど、隆臣の事、本気だからっ!」
ぎゅっと握りしめた諒太君の拳が白くなってる。
俺はその手をそっとほぐしてやる。
「ありがとう。」
そんな風に思われて俺は幸せもんだよ。
「卒業までは俺、毎日でもここ来れるから。」
「うん。俺もできる限り来れるようにする。」
なんだかくすぐったくなるような雰囲気だけど、この時は離れたくない寂しさをなんとか言葉で埋めようと必死だったんだ。
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