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もう我慢できない
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「引越し先が決まったよ。」
ある夜、残り少ない公園での逢瀬を楽しんでいると唐突に諒太君がそういった。
「そうなんだ。いいとこ?」
「うん。小さなアパートだけどね。窓から公園が見えるんだ。」
「そ、か。」
「次の土曜に引越しするんだ。」
「そっか。」
そうかしか言えずに。
何かを言葉にすると俺の心にまでダメージがきそうで。
「でさ。日曜、その引越し先の俺の家にさ。来てくれない?」
「うん。行く。」
反射的にそう答えていた。
そりゃ、見てみたいだろ。
諒太君がこれから新しい生活を始める場所をさ。
そして、日曜日。
俺は初めて聞く駅までの切符を買っていた。
知らない場所。
知らない駅。
知らない路線。
そして、俺の知らない諒太君。
駅の改札を通り、指定された出口で諒太君を待つ。
駅前の時計の鐘が大きく鳴る。
「隆臣っ。」
道の向こう側から諒太君が手を振りながらこっちへ向かってくる。
ちょ。
照れる。
俺は諒太君の来るほうへ、少しずつ歩きだす。
「明るい時に諒太君の姿をみるのなんだか新鮮だね。」
「夜ばかりだからね。俺たちが会ってるのって。」
「いつぞやのデート以来だ。」
言って自分で恥ずかしくなる。
「手、繋ぎたい。」
諒太君の手が俺の手の甲に触れる。
「ダメ。俺たち、男同士だよ。」
「誰も見てないよ。」
「君はこれからここで生活するんだろう。」
「俺は、俺が隆臣を好きなこと、ばれても構わない。」
「俺が構うの。」
「……わかった。」
諒太君の体温が離れていく。
「こっちだよ。」
「うん。」
諒太君と連れ立って歩き出す。
「来てくれて、ありがとう。」
「うん。」
俺も来たかったから。
って、言おうとしたけどやめた。
駅から10分ほど歩いたところにそのアパートはあった。
諒太君はポケットから鍵を取り出すと、アパートのドアを開けた。
「入って。」
「お邪魔します。」
ダンボールなどは綺麗に片付けられていて、もうずっと住んでいたかのような雰囲気だ。
「片付け、早いね。」
「うん。隆臣が来てくれると思って昨日、全部終わらせた。あんまり荷物もなかったし。」
「そか。」
「ね、窓の外。見て。」
カーテンのレースを開くと目の前には大きな木が並んでて、その向こうに公園が見えた。
「あの公園とさ、雰囲気が似てるんだ。」
「そう、か。」
諒太君はこんな風に家の窓から俺を見ていたのかな。
「隆臣…。俺、ずっと……こうしたかった。」
後ろから抱きしめられて、首筋に顔を埋めてくる。
「……っ。」
抗えない。
「ね、カーテン閉めて。こっち向いて。」
レースのカーテンを締める。
ぐっと、諒太君のほうを向かせられる。
「んっ……だ、……め……。」
諒太君の舌が唇の隙間から割入れられ、俺の舌を絡め取る。
「ダメじゃないでしょ。隆臣のここ、硬くなってる。」
足の間に諒太君の足を割り込ませられ、膝でぐりぐりと中心を刺激される。
「俺のも、もう、こんなだよ。」
俺の手をつかむと諒太君のそこに触れさせられる。
ごくり、と、唾を飲み込む。
「ねぇ、もう、我慢できないよ。」
耳元で囁かれ、俺はゆっくりと首を縦に振った。
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