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4. 当番
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家を出て20分程
普段通り歩いていればちらほらと同じ制服を着た生徒達が視界に映るようになり、奥には校舎も見え始める。
全体的に木で造られている校舎からは、建てられてしばらく経った今でもほのかに新築の家のような香りがする。
並みの高校に比べ、ひと回り以上大きくその自然に溶け込むような外見は生徒たちにも好評なんだとか
すれ違う生徒たちに「おはよう」と声をかけながら微笑みかけ、学校の門をくぐる
その門の側には生徒会委員達が並び、当番活動をしている。
それは自分含め生徒会役員達が毎朝やることになってる活動で、主な内容は大まかな服装チェックと挨拶
真面目なやつは早々と学校に来て、挨拶を始めているらしい
あいにく僕にはそこまでのやる気はない
鞄を門の壁に沿って置くと、自分も当番活動の列に加わる
他の役員達の横に立ち、登校してくる生徒に挨拶をする。と、しばらくして役員の1人に声をかけられた
「おはようございます、会長。生徒会長にしては学校来るの、少し遅いんじゃありません?」
馬鹿にするような笑いを含みながら近づいてきたこの男
伽々里 祐希(カガリ ユウキ)、生徒会副会長だ。
遅いって言われても。いつもは僕の方が早いから、自分の方が早く来た事を自慢でもしたいのだろうか…
別に遅れた訳じゃないんだけど。きっと、少しでも僕を貶せるネタを探しているんだろうな
はぁ…めんどくさい
「あはは、そうですか?いつもは君より早く来てるんですけど…朝から勉強に集中しすぎてしまって」
副会長の笑みに、こちらも自然な微笑みを投げかける
本当は勉強なんてしていないが、成績にピリピリしている副会長にはなによりもこう言った言葉が効くのだ
「はは…そうですか、それはいいことですね…!」
それでもなお、引きつった顔で対抗する副会長。
だが、僕だって自然な笑顔を保つことに関しては、この学校で一番だと自負している
このくらいの事で崩れはしない
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