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14. 冷静
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そう思った途端、急激に頭が冷えていく
血が流れでる足を中心に逆上せるほど熱いように感じる身体とは反対に、脳の中だけが冷えているような、そんな感覚。
「……」
さっさと殺してしまえばいい、僕のことを。
何故、あんなに生にこだわっていたのだろう
生きていたところで、したい事などないじゃないか
大切な人もいない、大切なものもない
クロはきっと両親が連れて行ってしまっただろうから
ただただ息をするだけの生活を繰り返すだけなのだから、いてもいなくても変わらない
…クロは、僕が死んでしまったら悲しんでくれるかなぁ
「え〜もっと足掻いてくんなきゃ、
楽しくないじゃんかぁ〜」
「おい、仕事に楽しさを求めるな」
血が足りなくなってきたのかもしれない…ぼやぼやとする頭で、ゆっくりと思考を働かせる。
…死ぬ事に対する抵抗は、もうない。けれど、あいつらの為になるっていうのはどうにも気に入らない
こんなことになるなら、もっと早くに家出でもなんでもすればよかったなぁ…
「はいはい、もーお堅いんだからぁ。んじゃ、そろそろ殺しますか」
カチャリ
不意に胸元に銃口を向けられる
「っ…」
ああ、やっぱり、諦めても実際に銃を向けられると怖い
外からじわじわと恐怖に飲み込まれていく感覚がして、ゴクリと唾を飲み込んだ
銃を向けられて、あぁ、殺されるんだって改めて頭が理解する
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