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17. 転生
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「おぎゃあぁっ!おぎゃあぁぁっ!」
まぶたの裏が白く光って眩しい
急に光を当てらてたような感覚に、少しだけ目がチリチリとした
すぐには目が開けられなくて、得体の知れないものに包まれているような、感じた事のない恐怖に思わずといったふうに声をあげる
そんな自分の声に驚き、自分の意思が分からないまま声を上げ続けた
「おめでとうございます、アリシア様!」
「元気な男の子ですよー」
ごわごわとしたもので包まれている…?のか?
未だに頭が上手く働かず、状況が分からない…
フッと何かに浸される感覚に、体がビクリと反応してしまった
……?
心地良い
ぬるま湯らしきなにかに浸かっているのか
急激に冷えていた身体が、奥から温まり始めて気持ちが良い
赤ん坊が湯のようなものに浸されている傍でその男の子__遥を「産んだ」女性にメイドがガウンをかける
しばらくして、メイド達が女性が起きるのを手伝いながら、生まれたての遥をその手に抱かせた
「は…ぁ…、はぁ……可愛い…」
…僕、生まれたのか…?
誰に言われたでもないけど、自分がこの世に「生まれた」というのが感覚的に理解できた
あの白い空間とは違う。体の全てが生きているという現実を感じている
「あぁ…私の愛しい子…」
そっと、大切なものを扱うように抱きしめられ、ぶあっと感情に襲われた
どうしようもなく嬉しくて、悲しくて、頭の中でぐるぐるとよくわからない気持ちになる
なんだか怖くなって、また声を上げて泣いてしまった僕を、優しく揺すってあやしてくれる
暖かい…
よくは見えないけど、この人が母なの…かな?
母親の胸の中って、こんなに暖かかったんだ…
「名前はね…もう決めてあるの」
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