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18. ノア
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女性が、やわらかで幸せそうな声で言葉を口にする
「あなたの名前はノア…
ノア・クロム・ザイフェルトよ」
「…いい名前ですわ、なにか意味がおありで?」
側で微笑んでいた女性が彼女に名前の意味を聞く
先程母にガウンをかけていた、穏やかな笑みを浮かべている女性は母よりもいくらか年上のようで、淡いブラウンの髪には所々白髪が混じっている
彼女は何故か、その言葉にクスッと笑うと口を開いた
「『ノア』っていうのはね、慰め、って意味があるの。
素直で、広い心をもった子に伸び伸びと育って欲しくて」
そう言って微笑んだ母は霞む目にひどく綺麗に映って、思わず見とれてしまった
…こうして僕はザイフェルト家に「ノア」として生まれた
あれから数ヶ月
こっちの世界はすごい、生後1ヶ月程にしてもう首がすわっているのだ
普通の赤ん坊の成長速度じゃないだろう
けれど、流石に生後1ヶ月じゃあベビーベッドたるものから降ろしてもらえないため、とりあえず言葉の練習と手足の運動にはげんでいる
「あらノア、起きたの?」
「あー」
それと、最近になってここの言葉が分かるようになってきた
と言ってもまだ…僕の名前がノアであるということくらいだけど
「ノアはあまり泣かない子ね」
僕の母はよく笑う人のようで、いつも顔に笑みをたたえている
元々の顔の良さもあい余って、まるで花が綻びだす様子を見ているようで。きっと母の微笑みを見た男性はみんな惚れてしまうことだろう
それに、赤ん坊の勘?のようなもので分かる、母は根っからのいい人だ…
溢れ出る善人オーラが凄い
「それじゃあ、そろそろご飯にしましょうか」
その言葉を言うと同時に、ベビーベッドから抱き上げられる
母が服の胸ボタンを外し始め、そのまま胸先を僕の口元へ持ってきた
『食事』も最初は戸惑ったし、どうにも嫌だったけど、今では慣れたものだ
それに、最近視界もハッキリするようになってきて、透き通った視界で見る母は前より数倍、美人にみえる
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