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23. 捨てられた偽物
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2人は引き取った少年をはるか、と呼び育てた
けれど、時がたてばたつほど『遥』とはかけ離れていく
顔立ちも、声も、言葉遣いも、慣れれば慣れるほど違和感が強くなっていくばかりだった
次第に2人は、はるかを『遥』が戻ってくるまでの代わり、代用品として考えはじめたのだ
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「_ えっ『遥』が見つかったんですかっ⁉︎」
遥が殺される少し前
遥には秘密にして、密かにと警察に会っていた遥の両親。
金に物を言わせ、あの後もずっと『遥』の捜索を続けていたのだ
目を見開きながら涙ぐむ父、 口元を押さえながら号泣する母。
「…はい。息子さんと指紋が一致したという青年が見つかったんです」
行方不明になった自分の子供が見つかった親としては普通の反応だが、捜査を進めていく中での子に対する異常な執着を感じていた警察官の目には怖々といった色がうかんでいた。
「よかったっ、無事だったのね…」
崩れ落ちた母の背に父が手を添え、嬉しそうに警官へと顔を向ける
「それで…遥はいまどこに?」
「警察署の方で保護しておりますが…」
まだ若いであろう警察官が、どうするのだと言いたげな目で2人を見やる
「そうですか…!では、明日にでも迎えに行きます」
すぐにでも会って、一緒に暮らしたい
きっと、遥だって待ってる
……けど、その為には遥が邪魔だ
虐待され捨てられ、養子になった遥に2人以外の親族はいない
つまり、消してしまっても気づかれやしないのだ
死体は秘密裏に処理してしまえばいい
そして、そのすぐ3日後。
遥 殺害の計画が実行されることとなった__
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