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33. 自己完結
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その後もずっと真顔の父、ちょっとは息子が産まれた喜びだとか、ないのかな
ある考えが横切って、僕はハッとする
息子と言えど、懐かれなければ可愛いとは思えないはず…こんな顔の父だ
今まで懐かれなかったんじゃ…?
きっとそうだ、だから素直に喜べなかったんだ!
そう自己完結し、僕は天才か!、と目を輝かせる
父であるイヴァンが喜ばないのはただ興味がなかったためなのだが…そんな考えはノアの眼中にはない。
可哀想な父よ、僕が懐いてあげようではないか!
そう意気込んだノアはベビーベットから転げ落ちながらも下に降り
慌てて駆け寄ってくる母とレヴィを華麗にかわし、落ちたのとは反対側にいる父のもとまではっていく
生後数ヶ月とは思えない素早い動き、生前の世界の全力疾走と変わらないほどだ
そんなことあるわけが無いのだが、やはり魔法の世界ゆえなのかもしれない
結構距離があるような気がしたが、実際は数メートル程で、やっぱり赤ん坊だなぁ、と変なところで実感する
レヴィ達は呆気に取られていて、捕まえようと体を屈めた状態で固まったままだ
それを横目に父の足に体当たりしてしまう
父は一瞬驚いたものの、すぐに怖い顔になり睨まれた
だが前世で睨まれ慣れているため、怯むことなく笑い返す
それを見た母は顔面蒼白になってしまっていて、悪いことをしたな、とは思うもののやめはしない
引き返せないしね笑
ひとり、色々考えていると上から声をかけられる
「…お前は泣かないんだな」
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