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37. バッカじゃないの
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「はぁ…僕はあなたのこと、嫌いなんですがね…あぁ、もうこんな時間だ。その足りない語彙量をどうにかするためにも、そろそろ勉強なさってはどうでしょう?」
(…やっぱり10歳ちょっとの少年が言うようなセリフじゃない)
時計をチラリと見ると針は午前10時すぎを指していて、確かにいつもなら家庭教師が来て勉強している頃。
…午前10時とか寝すぎじゃないか、とかいう僕の事はいい。
あくまで冷静なレヴィの言葉に、少女の目には涙が滲んでいた
「な、なによ…そこまで言わなくてもいいじゃない!バッカじゃないの!!」
バッカじゃないの、なんて、いつぶりに聞いただろうか
両手を握りしめ、少女はそう叫ぶと部屋を飛び出していった
目が潤んでいたけど、レヴィに遠回しに帰れと言われたのがそんなに嫌だったのか…
「はー……」
少女が出ていくと、疲れのこもったため息をはくレヴィ
傍にあった椅子を引き寄せ、腰をかける
じっと見ていると、こっちを見たレヴィと目が合った
あ、やば…
ゆっくりと立ち上がり、こちらに歩いてきて、そばまでくるとそっと持ち上げられるとその胸に抱き寄せられた
「ごめんねノア、起こしちゃった?」
「あー」
言葉は分かるが、喋れないというのはこういう時不便だ…
まぁ喋れたとしても、気持ち悪がられるだろうからどちらにしろ会話は出来ないけど
レヴィに向かって意味もなく、あーと声を出しただけなのだが、それが返事に聞こえたようで薄く微笑む
手で口元を覆いながら一つ欠伸をしたレヴィに、さり気なくキスをされたかと思うと、そっとおろされた
口じゃなくて、おでこだけど…
えっ…今そんな事する要素あった…??
…コンコン、と規則的な音で扉がノックされた
急になった音に思わずびくつくも、レヴィに気づかれたくなくてあたかも何も無かったかのように振る舞う
が、それをがっつりレヴィに見られていて。
恥ずかしさに耳が熱くなっていったのはきっと気のせいではない
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