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38. 図書室
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その扉をノックした人物はレヴィの周りでよく見かける使用人のうちの一人。
レヴィの専属?なのだとか
この家で生活しているうちに、自然とそこかしこに使用人がいる状況にはなれてきた
が、レヴィや母が様付けで呼ばれているのを聞くと未だに違和感を感じてしまう
前世では様付けで呼ばれている人など滅多にいなかったから、当然といえば当然なのだが
「レヴィ様、家庭教師の先生がお見えになりました」
「分かった、すぐ行くって伝えて」
小まめに僕のもとを訪れるレヴィだが、勉強、楽器、礼儀作法と様々な習い事をしているらしい
赤子ながらに大変なのは目に見えて分かるのだが、勉強ばかりさせられていた自分からすると、他のことにも手を出せているのは少し羨ましい
最近はあまりベッドから抜け出せていないのだが、時折近くの部屋からバイオリンの音が聞こえてくる
きっと、レヴィが弾いているのだと思うが、あの擦れるような音が好きでつい耳をすませてしまう
(あーあ、早く成長しないかなー)
少し投げやりに心の中で呟くも、当然成長が早まる訳もなく、イラッとした衝動にベビーベッドの柵の部分を蹴ったのは内緒だ…
じゃあね、と言ったレヴィが部屋を出ていくのを見届け、音をたてないようにベッドから降りる
前みたいに落下するような降り方なんてしない、僕も学習したからね
扉を開け、人が来ていないか左右をしっかり確認すると、そぉーっと部屋から出た
長い廊下が続いていて、いくつものドアが一定の間隔をあけて並んでいるのが見えた
とりあえず一番近かった左隣のドアを開け、中へと入る
見上げると、丸いドアノブがついているのが見えた。残念なことに…僕はまだドアノブをまわせるような身長に達していないため、完全に閉められていたら開けることは出来なかっただろう
小さく隙間が開いていたため、簡単に入ることができたのは幸いだった
中は図書室?のようになっていて、本棚には大量の本が入っていた
入りきらずにそこらに積まれているものもあり、そこから1冊拾うとその場に広げる
適当に取ったものなのだがどうやらこの世界についての本でラッキー、とページを捲る
開いてすぐ目次があり、そこから気になるページを開いた
生活、貴族、魔法…
魔法!?
え、なに、ここってそういう世界だったの?
え、えっ?、と驚きながらも、目次に記されているページまで本をペラペラと捲る
子供の手ってめくりにくいな…
慣れない手つきで『魔法』のページを開き、読んでいった
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