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43. 部屋へ
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ゆっくりと起き上がり、おぼつかない足取りで部屋へと戻る
高速ではいはいができても、まだしっかり歩くのは無理っぽい
「よいしょっ」
ふんっ、と勢いをつけベッドによじ登る
「ふぅ…」
登りきり、ベッドの上でほっと息を吐くとついてきたアディに加え、目の色と髪型、髪の色の違うアディそっくりのドールのような精霊が2体ほど増えていた
いつの間に…
「えっと…?」
『…ん?あ!僕はねーレウス!アディについてきちゃった♡』
女の子、なのかな?
自分の事を僕と呼ぶ、ツインテールで緑の瞳のレウス。なんとなく語尾にハートがついてきそうな話し方だ
『私はアロト…ヨロシク』
ぼんやりとした紫色の瞳の、ショートヘアをしたアロト
にこにこと明るい雰囲気のレウスとは違い、簡潔な挨拶だけを告げると、それっきり黙りこんでしまった
「よ、よろしくね…?」
さっきまでいなかったのに突然出てきて、各々自己紹介をしはじめた二人には驚いたけど、精霊って瞬間移動とかできそうだし、まぁ普通?なんだろう
『アラ、あなたのお父様がくるわョ』
「え?」
アディの声に反応したすぐ後、ドアが開くと同時に父が部屋へと入ってきた
「入るぞ」
いや、もう入ってんじゃん…
父の後に母、兄ともにぞろぞろと部屋へ入ってくる
さっき出ていったのは、2人を呼びに行くためだったのかな?
父なりに心配…してくれてたんなら嬉しいけど、多分そういった理由ではないだろう
どんなのにしろ、赤子放棄は酷いけどね 笑
「ノア!大丈夫?一人で歩き回ったって…」
入ってくるなり、こちらに駆け寄ってきて心配してくれるレヴィ
「あぅー」
母は父の前に出られないのか、父の後ろから心配そうにこちらを伺っている
「…おい、お前、どうやって出たんだ」
赤ん坊に聞いても答えられる訳無かろうに。僕の顔を見つめながら真剣に聞いてくる父
…ちょっとバカなのかもと思ってしまったが、それは置いておこう
『くふふっこの人変だなぁ、ねぇノア?』
やっぱり精霊達も父をバ…変わっていると思ったのか、笑いながら聞いてくる
「あはは‥」
精霊達の問いかけには苦笑いしか返せないが、特に気にした様子もない
「…どちらにせよ、これからは一人で出ぬよう気をつけるように」
始終真顔のまま、一応注意をすると出ていってしまう
え、もしかして今のって僕に言った?
赤ちゃんが分かるかっての、まぁ中身は赤ちゃんじゃないけどさ
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