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平凡な日常
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翌日_
今日も父の部屋へ向かおうと廊下を歩いていると、侍女達が何やら話していたのを聞いてしまった。
…あの侍女は、倒壊寸前だった下級貴族の家の娘だったらしく、金を貸す代わり…保険としてうちで働くことになっていたはずなのだそう。
だが、父の愛人にでもして貰おうと連日のように仕事部屋の周りを彷徨いていたようで仕事はサボりっぱなし。
その溜まった仕事は全部自分より下の地位の侍女達に押し付けていたんだとか
当然父には相手にされるわけもなく、イラついていた時に侵入しようとしている(様に見えた)僕を見つけ、ストレス発散!もしかしたら褒めてもらえるかも、→愛人に!
とかいう考えだったんだと。
まぁこの一件で思っていたよりかは父に愛されてるって分かったし、僕は良かったけどね
ん?あれは…
「とうさま!」
「…ノアか、どうした」
最近じゃあお前呼ばわりも無くなったし!それどころか会話も成立してる
あ〜〜〜
嬉しさで言葉を失ってしまうレベル。
「えっと、きょうもついていってもいい?」
こてん、と小さく首を傾げ上目遣いで話しかける
母に似たこの綺麗な顔じゃあ、どうだ可愛いだろう!と自画自賛してしまうのはしょうがない
「…好きにしろ」
「ふふ、ありがとう とうさま!」
顔に満面の笑みをたたえ、素直に喜ぶ
最近は父の部屋に入り浸って、沢山ある本を読み漁っている。そのおかげか、大分知識がついてきたように思う
…感情をこんなに表に出すなんて、前世じゃ考えられなかった。すごくあったかくて、時々逆上せてしまいそうになる
でも、それが心地よくて、ずっと浸っていたい。
平凡で、何事も無い日常がこれからも続いていくのだと、なんの確信もなく信じ込んでいた
…だってこの時の僕は、これから起こりうることなんて知るよしもなかったのだから__
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