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何か
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足音はない
小さく空気の揺れる音がし、誰も触っていないはずのドアがギィ、と軋みながら開く
何かが入って行く気配がしたかと思えば、再び音を鳴らしドアは閉まる
物音ひとつない、どこかのお屋敷
時折窓から風が吹き込み、カーテンが揺れる
『_あら、貴方達…ちゃんとあの子を『誘導』してくれたかしら?』
薄暗い部屋の奥。
静かに佇む婦女のような、少年のような…不思議な雰囲気を纏った_人間のような何か
月明かりはあるはずなのに、『人らしき何か達』の姿は照らされない
椅子に座り、闇に溶けるようなその姿。どうなっているのか、なんて想像もつかない
対して、その前にふわふわと浮かんでいる三体の影。
闇と同化した身体とは別に、瞳だけが光を発する
青、緑、紫…
どれもが宝石のような色合いで、見ているものを引きずり込むような。
それほどまでに魅力的で、時に人を狂わせる、そんな瞳
『モちろん』
『あの子もスグに貴方様のコト、好きになりマスわ』
『きっと…大丈夫』
あの子。
それは、どんな少年なのだろうか
どんな『味』がして、どんな反応をするんだろうか
あぁ、待ちきれない_
想像するだけで、背中にゾクゾクとした感覚が走る
気付かぬうちに口角が上がり、クスッと笑いが漏れてしまう
『早く…いらっしゃい、ノア』
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