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伝言
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視界の端を横切った白い物体。何だ、と音がした方を見れば小さな生き物_兎がいた
「……うさぎ?」
なんでこんな所に…
(迷い込んだ?近くに森はなかったと思うけど…)
白っぽい体毛をした、赤い瞳の兎。その兎を見て1番最初に頭に浮かぶのは雪うさぎだった
目線を合わせようとしゃがんだノアを見たままピクリとも動かない雪うさぎに、どこか怪我をしているのかと不安に思う
精霊の中にも似た見た目の子はいるが、どこかしら変わった特徴があったり、薄らと光を帯びていたりするため判断がつく
(どこから来たか分からないけど…誰かのペットかも知れないし、一応保護した方がいいかな)
「ノアー」
とりあえず保護…そう思い手を伸ばすと背後から声がかかった
「母様」
一瞬後ろを振り向き、自分を呼んだ相手を確認した後もう一度前へと視線を戻す。が、その視線の先に雪うさぎはいなかった
(あちゃー…逃げちゃったか)
まぁ動物は自分の帰る場所が分かるっていうし…多分大丈夫、かな。
「母様、どうしたんですか?」
そういえば母に呼ばれていたのだったな、と立ち上がりながら身体ごと母の方を向き用件をたずねる
「えぇ、イヴァン様とレヴィが呼んでいたから伝えに。」
「父様と兄様が?」
あの二人から呼び出すなんて珍しい。それも、わざわざ母様に伝言を頼むなんて
(使用人にでも伝えればいいのに…)
一瞬首を傾げたが、たまたまかとひとりで納得すると2人のところへと向かった__
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