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龍希と貴仁の日記
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龍希の日記より
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3月12日
貴仁さんが今日、何かを言おうとしてはぐらかしたのは、ご両親への挨拶の時の話だろうなと思う
きっと、先生が言っていたストレスの発端が~って言う、そう言う事からだろうな。とは思ってる
あの日の、貴仁さんのお母さんの言葉が、
かなり刺さってきたのは、そう思うのは嫌なんだけど、でも確かなんだよな。
そりゃあ、今となっては大きな理由なんて解らなくなってるけど、
あの言葉がキッカケの1つなのは、確かで。
オレはさ、貴仁さんへの想いを頑張って諦める努力を、過去何度もしてきたつもり。
めちゃくちゃ何度も何度も何度も
ただ必死に頑張って諦めようとしてきたつもりで
それって、結局、「つもり」なだけだったのかな
もっと、頑張らなけりゃならなかったかな
頑張って、頑張ってちゃんと諦めきらなくちゃならなかったのかな
あれ以上頑張って得るものはきっと、貴仁さんを諦める恋 なんだよね?
それって、何だろう、それだけがオレの答えだったって事なのかな
難しくて頭が追い付かないんだ
オレは、いけない事をしたのかな
オレは、貴仁さんとパートナーで有ることを頑張りたいんだけどな
難しくてわからないや
気持ちだけが悲しくなっていくんだ
頭が追い付かなくて、イライラしてくるんだ
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貴仁の日記より
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3月14日
予定の日ではなかったが、
キッカケの話をしに病院へ行った
龍希の、症状のキッカケを全て知った
龍希が全て素直に先生へ話したのを、付き添って聞いた
キッカケが
俺の両親への挨拶の時の事と
それに加え
龍希が、自分で切り出し、すでに済ませていた龍希自身の両親と勘当した……親子の縁を切った事の2つだったと知った。
俺のせいだ。そう言って間違いはないだろう
俺の両親へのカムアウトの日程を決めた頃、
龍希の様子がおかしいのは知っていた。
上手く眠れていないのも気付いてはいたし、何かあったのか?とは確かに聞いてはいた
けれど、明らかにおかしな様子で、何もないよと言った言葉をすぐに鵜呑みにして、何も詮索はしなかった。
何も無いはずがないとは解った。
解っていて、放っておいた
あの時の俺は、両親への挨拶がイコールカミングアウトになる事で頭がいっぱいで、
その、龍希の気持ち変化も、サインも、全て気付いていた上でなぁなぁにしたのだ。
結果的に俺は、あいつが一番弱っている時に
わざわざさらに傷付ける恐れの多い両親との面会をセッティングした。
龍希は、大好きで大好きで、何があっても手放すつもりは無いと言っていた己の両親と、勘当したのだ
勘当だ。しかも、自分から切り出して。
恐らくは、両親の事を考えて、その方が二人の為だ。と思っての決意だったのだろう。
それが、どんな事か。
あいつにとって、どんなに辛くて仕方ない決断と現実のスタートだったか。
悔しい、悔しくて仕方ない
自分が憎らしくてイライラする。
俺が守ると言っておいて、俺が追いやっていた
悲しみに追いやっていたのだ。俺はバカだ
帰ってから、龍希が、ごめんと言ってきた
謝るのは俺なのに、謝らせた
ごめん。ごめん。ごめん。
どうしたらいい、ごめん。本当に、ごめん。
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龍希の日記より
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3月14日
後悔してる。
貴仁さんの居る場所で言わなくても良かったのに
何で言ったのか解らない
先生に全部話そうと思って、でも、考えがまとまらなくて、気持ちと頭が追い付かなくて
イライラして
貴仁さんが心配するから言わないつもりだった事を言っちゃった。
帰ってからごめんなさいって、言ったら
抱きしめてくれた。
すごい、辛そうだった。
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