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18歳以上ですか?
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(やってしまった…。)
傍らに居るはずだった人物は見当たらず、ジェイドは、ガンガンと痛む頭を抱えながら、思い詰めた表情で、綺麗に整えられたベッドで悩んでいた。
(まだ正式に夫婦になってもいないのに、手を出しておいて途中で寝るなど…しかも、あんなセリフまで言っておいて…)
意外なことに、ジェイドは、ある程度しっかりと自分の言動を覚えていたのだった。いっそのこと、綺麗さっぱり忘れていれば良かったと深いタメ息を吐く。
その時、扉がノックされ、アズが部屋へと入ってくる。そして、そんなジェイドの様子を見ても、気にした様子もなく、ベッドの横に姿勢良く立つと口を開いた。
「おはようございます。今日のご予定は、リュカ殿下との婚儀の日程決め、それに伴う衣装や会場の手配などの取り決めとなっております。それと、以前から入っていた施設への訪問が一件。あとは…
頭痛薬は必要ですか?」
アズは、淡々と今日の予定を告げると、最後はからかうように視線を向ける。
「………………用意してくれ。」
ジェイドが、悔しそうに顔を歪めて返事をすると、アズは、それを見て、お酒の量も勉強しなくてはダメですねと笑いながら言う。
「…リュカ殿は、部屋に戻られたのか?」
「はい。昨夜、私が出ていった後、暫くして自室へと戻られたと聞いてますよ。」
「そうか…。」
(やはり怒っているよな…あんな中途半端な状態で放置して…いや、呆れている?それとも、ホッとしただろうか…?)
また、悶々と考え始めようとした時、アズが見兼ねて声をかける。
「勃たないものは仕方ないですもんね。」
「…少しは、包み隠して言うべき所ではないのか?」
というか、勃たなかったなんて誰が言った?と、優しげに微笑みかけてきたアズを、ジェイドは睨み付ける。
「?出来なかったから、出ていかれたのではないのです?」
「いや、まぁ出来なかったのは出来なかったんだが…
と言うかだな…、婚儀も済ませてないのに良いのか?!普通止めるものじゃないのか?!」
まるで、行為を推奨しているようなアズに、ジェイドは、思わず大きな声で突っ掛かっていく。
「まぁ、結婚もしてない、いつ破棄されるとも分からない状態で、何処かの姫君を身籠らせるような事態になったら、面倒なので普通は注意しますが、今回は、ほぼ結婚は確定ですし、何より証拠も残らなければ、子も出来ませんからね。むしろ、深い仲にさっさとなってしまえば良いかと思いまして。」
情が移れば万々歳です。と、最低な事をさらっと言ったアズを、それもそうだと思ってしまった自分は、やはり支配階級の人間なのだと改めて実感してしまう。そして、こういう大人にはならないよう気を付けなければと、ジェイドは固く心に誓うのだった。
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