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勝負しよう
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「さ、佐渡」
冷えきった佐渡の声。
聞いたことのない佐渡の声に背筋が凍る。
多分周りも同じだろう。
その場から動ごくことも何か答えることすらできない。
「珍しく遅いじゃないか」
シエル君...もう神藤でいいや、嫌でも名前覚えたし。
神藤だけはそれに特に気にした様子は無く普通に佐渡に話しかけた。
「何で怒っているのか?前にお前は津坂のことはどうでもいいと言っていただろ?それとも何か?本当に津坂に惚れたか」
そう言って佐渡の肩に手を回す
「だまれ。神藤。お前が津坂にしているのははっきり言って逆恨みだ。お前の努力が津坂には届かなかったそれだけだろう?それを津坂に当たるのは間違えている。子供だとは思わないか?」
「はぁ?」
神藤の雰囲気が一瞬で変わった。
教室の中の空気が凍えるものへと変わる
とても息苦しい。何か知らないが気を失いそうだった。
その中でも佐渡は怯える様子もなく平気な顔をしている。
「聞こえなかったか?お前のは単なる逆恨みだ。みっともないぞ。お前こそ親の権力を振りかざすしか脳のないやつなのか?」
「喧嘩打ってんのかよ?」
「ああ。そう受けとっても構わない。」
佐渡からも同じ位重苦しい圧を感じる。
俺はまだ平気だけど、2人のそれに当てられて何人かは倒れていくし、逆に立っていられている人数の方が少ない。
「お前。」
神藤は何かに気づいた様子だった。
多分神藤だから分かるとかこれはそういうものなんだろう。
でも、これを教室で続けられるときつくなる。
なんとか止めさせないと。
そう思って踏み出した足は震えて平衡感覚を失ったように真っ直ぐあるけなかった。
数歩で届く距離なのにまったく近づかない。
やっとの思いで背中によりかかる。
「す、ストップ。さ、さわたり。おれのためにありがたいんだけどさ、やめない?くらす、みてみてよ?」
「あ。」
佐渡も神藤もやっとクラスの状況に気づいたらしく、
一瞬で重苦しい雰囲気がなくなった。
一気に気持ちが楽になる。
解放されたからなのか足の力が抜けた。
「あ。じゃないよ笑ほら、保健室の先生よんできてよ。
俺、こしぬかしちゃったし。」
何人か意識飛ばしている人もいる。
お前ら2人しかまともに動けないだろ?
と告げると焦ったように佐渡は教室から出ていった。
問題は俺を睨む神藤だ。
俺が目を合わせるとすぐ逸らされる
「しんどうさ。おまえ、おれが努力してなくてけっかだすのがいやなの?」
神藤の眉がピクリと動いた。
その反応はどうやら当たりらしい。
「なら。本気でべんきょうするから今度のきまつしょうぶしよう。それで負けたらおれはなんでもお前の言う事を聞くよ。」
「そんなの俺がなんでお前なんかの「拒否権なんてお前にはないよ笑笑分かってるよね?両親に神藤家の次男がいじめをしてたとか知られたくないよね。2週間前、俺たちのツテを使ってお前の父親が持ってきた商談、壊したくないでしょ?」
即座に被せる。
勿論俺に対する数々の暴言は抜かりなく録音ずみだ。
それを使えば商談はこっち側に利益が多い方に進められる。
「一丁前にお前が俺を脅すのかよ」
あからさま俺を下に見ている態度。
その威勢散々後で後悔すればいい。
「佐渡が言ってたこと俺も一理あると思うよ。お前が俺より格上でも俺はお前のこと怖いともなんとも思わないし、凄いとも思わない。負けた理由を作りたいなら今からつくっておけば?俺に脅されたから負けた。俺がカンニングしたから負けた。俺が身体を売ったから負けた。そんなんすればするほどお前の底が知れるし、品もさがるだけだよ。」
「てめぇ」
胸元を掴まれる。
だけど、本人にも思い当たる節があるせいか佐渡のことがあったせいか、さっきのような圧は出さなかった。
俺だって今更やめるつもりないけど。
「お前はあたかも自分の親の功績を自分が成し遂げたように話すけど、結局お前はどうなの?見てみろよ。今お前がやってること。俺を貶めるのは勝手だけどそれをする度にお前の価値も下がってることにいい加減気づけよ。いつまで山の上の大ボス気取ってる?」
「痛い目見せてやる!」
そう言って神藤は目の前にある机を蹴って教室に出ていった。
それはこっちのセリフなんだけどね
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