生徒会役員（会計）を務める僕はある日学年の有名人である、小倉星路君に声をかけられる。

彼は生徒会を通じて学校側にある要望を通してほしいというのだ。

それは“彼からは”予想もしない要望だった。


16歳、規律の支配と常識と視線の中で生きている僕は、世界が広くて、そこを軽やかに飛んでいく彼が違う世界の人間に見えた。

小倉君と関りは、それまでの僕とは全く違う世界を広げていく。


そんな君が羨ましかった。

そんな君が理解できなかった。

君にはなれないと、本当にそう思った。