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「あ…久しぶり」
「久しぶり」
避けていたから、いざ会ってしまうと向こうは知らなくても気まずい。
「小倉君、どこか行ってたの?」
制服ではなく、私服だった。そして化粧もしていた。
その目元は文化祭の時とは違い、少し赤い色をしていた。
噂になっているのに、君はやめるつもりはないんだ。
その自信が…僕には少し羨ましい。
「ライブの帰り」
「そうなんだ。お疲れ様」
「……あのさ、俺ゲイじゃないから」
「え?そんな、こと…」
「化粧してると、ゲイとかオカマとか、そう思われること多いけど、化粧したいからしてるだけ」
「う、うん」
「……気持ち悪いなら、もう話しかけなくていいよ」
頭が冷えていく。
僕の態度は、彼を傷つけているんだ。
「ごめん、そういうんじゃなくて」
理解できないんだ。
君ほど、カッコいい人が化粧をする理由が
「………じゃあ」
行ってしまう彼にかける言葉は分からなかった。
「僕には、僕には官僚になってこの国を良くしたい夢がある!」
「は?」
「だから!普通に生きて!行きたい大学に行くことだけを考えてる!」
その為に指定校推薦があるこの高校に電車で通っている。
その為に少しでも内申書をよくしたくて生徒会の役職に就いた。
「そんな生き方をしてるから小倉君が校則を変えてまで、化粧をしたい意味は分からないけど!君が!君がバンドを真剣にやってるとことか、人に誠実なところとか!君は尊敬する人だって思ってる」
彼が弾けないギターを学校に持ってくるりと理由は、そのまま練習場所に行くためだとバンドの人が言っていた。
家に帰る時間を練習していたいと。
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