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⑦
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放課後、教室に行くとやはり瀬世が待っていた。
瀬世は自分の席の机にもたれかかって窓の外を眺めていた。
浅海が一歩踏み出すと靴がパタンと微かに鳴ったから、瀬世はハッとしてこちらを見た。
「……先生か。待ってたよ」
「来なかったら何をされるかわかったものじゃないだろ」
「……よくわかってるじゃない。じゃあ、話してよ先生。先生と奥さんの話」
瀬世は手招きをした。
浅海はごくっと喉を鳴らすと、瀬世の目の前に立った。
すると、浅海は瀬世に腕を引かれ瀬世の腕の中で包まれた。
「……ゆっくりでいいから、話して」
なんだ……温かい。温かい。
なんでこんなに温かいんだ。
あんなに冷たく感じられた瀬世が、なぜこんなにも温かい。
「瀬世……」
浅海は瀬世の制服のシャツをきゅっと掴んだ。
「わかったよ……」
「……ありがとう」
瀬世は浅海の頬を優しく撫でた。その手もとても温かくて。
なんだろう、ドキドキする――
浅海は無意識に頬をその手にすりっと擦り付けた。
「……誘ってるの?」
瀬世の一言で浅海はハッとして身体を離そうとする。が、瀬世にぎゅっと抱き締められたまま動くことができない。
「馬鹿、違う!」
「……なんだ、残念。でもいいや」
瀬世は締めていた腕の力を抜いて浅海を解放した。
「……今は、先生の話が聞きたい」
「そうか……」
浅海は瀬世の前の席の机にもたれかかった。そして、深く息を吸うとゆっくり吐き出し、その口を開いた。
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