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新学期(19)
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「おはよう、理人。体調はどう?」
聖夜がクマのぬいぐるみを取り、理人の身体を揺すって起こすと、理人は何度か瞬きをして小さく欠伸をする。
「んー大丈夫。」
理人は伸びをしながら答えると、ゆっくり起き上がった。
「お腹すいた?」
「少し。」
「そっか。今日は皆で夜ご飯食べる日だから、サロンに行くよ?」
「分かった。」
「着替える?」
「いや、いい。」
「そう。10分後に行こうか。」
「分かった。」
ベッドから立ち上がった理人は、顔を洗うためキッチンに向かう。
聖夜は軽くベッドメイクをして、寝室の電気を消しリビングに戻った。
「歯磨き粉、新しくなってる。」
「うん、買ってきた。ごめんね一人にして。」
カウンター越しに謝ると、理人は視線を逸らした。
「平気だ。」
シャコシャコと歯磨きをしながら理人は拗ねる。
「一緒に行こうって言ったけど、寝てて欲しかったから一人で行っちゃった。」
苦笑いしながらごめんと謝る聖夜を一瞥した理人は、うがいをしてリビングに戻ってきた。
「別に怒ってない。雑用を押し付けたみたいで嫌だっただけだ。」
「そっかよかったー。よし、行こうか。」
二人で部屋を出ると丁度斜向かいの部屋の潤達も部屋から出てきたところだった。
「お、一緒に行くか。」
潤がエレベーターのボタンを押す。
「理人、おぶってけっか?(おんぶしてあげようか?)」
「いい。」
ニヤニヤしながら頭を撫でてくる吹雪の手を払い除けると、理人は聖夜の影に隠れた。
「吹雪、あんまり理人をいじめないでよ?」
「しょーないべ。むんつけっとおもしゃいなんもん。(しょうがない。不貞腐れると面白いんだもん。)」
「ははは!そう思うのはお前だけだろうな。」
エレベーターに乗り込みながら、未だ聖夜の側を離れない理人は吹雪を睨みつける。
「こいつ性格悪いな。赤鬼は優しいんじゃなかったのか?」
「それは絵本の中だけだよ。」
「そうか。」
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