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嘘の鏡合わせ(5)
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「ただいま戻りましたー!」
流生が勢いよくサロンに入ると、中にいたメンバーは皆目を丸くしてこちらを見た。いつもの流生に戻ったことを知って、自然と笑顔になる。
「おお、おかえり。随分元気になったな。...後ろのやつはグロッキーだけど。」
潤が首だけこちらを向いてニヒルに笑う。目が合った理人には、よくやったなと言う言葉が聞こえた気がした。
「で、収穫はあったんですか?」
涼介が理人の前に茶菓子を置きながらそう問うて来た。
「ありまくりだよ!だから理人さん、こんなに疲れてるんじゃないですか!」
「ではなぜお前は元気なんだ。」
香が苦笑いすると、流生はニコリと笑った。普通の女ならばコロッとやられる、とても人好きのする笑みだ。
「ふふーん...秘密です!ねー理人さん!」
「そうだな。ちょっと魔法を掛けただけだ。」
流生に抱きつかれながらだるそうに理人は答える。
「まじか〜流石だな。」
抱きついていた流生にしか聞こえていないような小さな声で、理人はあの箱を出すよう小声で言った。了解ですと小さく返事をした流生は、鞄から箱を取り出した。
「で、これが今日の収穫です。」
「なんだこれ?」
「わぁーお。まさか物的証拠?」
そう言って鉄平が箱の蓋を開けて中身を確認すると、何に使うものなのか理解出来たようで、顔をしかめた。他のメンバーは、不思議そうな顔をしている。
「とりあえず、今日のところは解散でいい?理人を回復させたいんだけど。」
箱について、話が始まる前に聖夜はすかさずそう言った。ぐったりしている理人の頭を撫でながら。
「そうだな、とりあえず、これはここに置いておくか。」
「では、一応この棚の鍵付きの引き出しに入れて置きましょうか。鍵は潤様にお預け致します。」
アリスが茶器を閉まっている棚にしまって鍵を掛け、それを潤に渡した。
「じゃ、解散!」
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