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仕事は思っていたよりも単純で取り次ぎや部屋への案内を笑顔で淡々とこなしていった。
「かなくん、お疲れ様。お昼の休憩は順番なんだ。受付を空けるわけにいかないからね。お先にどうぞ。」
「いえいえっ、竜さんこそお先にどうぞ。」
「えー、いいのかなぁ?ん、でも助かる。ちょっと昼休みに銀行に行く用事があって早めに行っときたいんだ。じゃ、頼むね。もし困ったことがあったら、総務課に内線して誰かに聞いてね。念のために俺の携帯番号も教えとく。じゃあ行ってくるね。」
立ち上がると竜さんはロビーで誰かと会ったようで話しながら行ってしまった。
いいなぁ。社交的で明るくて。きっとみんなに好かれてるだろうし、僕もしっかりしないとね!
その時、横から‥‥
「美波くん、だったよね。どうしたの?面白い顔して。」低めだけど柔らかい声が聞こえた。
あわわっ。岡田次長だっ‥。
「そんなことっ、いえ、だいじょぶです‥」恥ずかしくて、すぼまっていく自分の声‥‥。
「そう?じゃ、このリスト。午後の来客予定表なんだ。急な予定だから社内通知が間に合わなくて。受付嬢さんのほうで管理してもらえる?来たら応接フロアに通すだけでいいから。」
「わかりました!お任せください!!」
「お、張り切ってるね。よろしく頼むな。」
来客予定表を受け取り、確認していく。
「ところで、柏原くんは今お昼休憩?ってことはきみは一時間後くらいから休憩かな?」
「あ‥‥そうだと思います。どこか外に食事に出てみようと思ってます。」
「社食もわりと美味いけどな。でも、そうだな‥きみの場合は外に出た方が良さそうだな。」
え、どういうことだろ。
「よし。今日の昼食は俺が奢ってやる。この辺で美味い和食の店があるんだ。また一時間後にロビーで。」
「あっ、ちょ、ちょっと待ってくだ‥‥‥」
返事をする時間すら与えられなかった‥。岡田次長ってかっこいいけど何でも自分ですぐ決めてしまうタイプなんだなぁ。
和食屋さん‥楽しみだな。
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