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火照る顔と体を鎮めようと必死で仕事のことを考える。
今日は何があったっけ‥‥。
「かなくん、おはよう。今日ね、新規代理店の説明会が1階奥のホールであるよ。」
「代理店??」
「うん。保険の商品を売るのが営業部だけど、それを個人のお客さんに小売にしてくれるお店って言えば分かる?全国各地にあるんだよ。その新規店舗の人向けの説明会。」
はぁ‥‥‥‥‥なるほど。
「まぁ僕たちはホールに通すだけだよ。」
「了解です。」
時間になると代理店の人たちがどんどんやって来た。
「ねぇ、きみら男だよね〜?」
30歳くらいの大柄な男が話しかけてきた。
「はい。弊社は受付嬢が男性です。警備も務めておりますので。」
何だか不躾な雰囲気を察知して、竜さんが冷たげに答える。
「へぇ〜。でも二人とも可愛いじゃん。どっちでもイケるな。ねぇ、今度デートしてよ。」
「申し訳ありません。個人的なお話はこちらでは出来ませんのでご容赦ください。」
竜さん‥
「ちっ。きみ見た目と違って可愛くないな。まぁいいや。俺こっちの子の方がタイプだもん。」
グイッと受付カウンターに身を乗り出してきて、要の手首を掴む。
「あっ‥いやっ‥‥!」
「おい、止めろよ。俺空手やってたんだ。飛ばすぞ。」
竜さん‥仕事モード抜けてるっ‥、
「おぉ、こわっ。可愛い猫かと思ったけどヒョウだな。ははっ。」
「ふざけてるんじゃねぇよ‥」
竜さんが歯をギリッと噛みしめてるのが分かる。
「痛っ‥いたいです‥は、離してください‥」
「いいよ、連絡先くれたらな。どうする?」
「いっ‥‥‥あ、あの‥‥‥‥」
「そこまでだ。」
凛とした声が聞こえる。
「「青森次長!!」」
「ちょっとちょっと、困りますね。弊社の受付嬢はキャバ嬢ではないんですよ。貴方、どこの代理店の方ですか?こんな真似して許されると思ってるのか。」
「いやっ、別に俺は‥。こんな女みてぇな仕事してるやつ、気持ち悪くて誰も相手にしねぇと思って。ちょっと誘ってやったのに感じ悪りぃなぁ。もう行くわ。」
「「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」」
気持ち悪いって‥‥‥‥‥‥‥‥手首を強く掴まれたのと、酷い言葉のせいで、さっと血の気が引くように青くなってしまったのが自分でも分かる。
「かなくん、大丈夫?ごめんね、何も出来なくて。」
「いえっ、全然‥!お二人ともありがとうございます。」
「美波くん、手首が痕になってる。医務室まで来て。」
「あっ、青森次長、受付は大丈夫なんでゆっくり手当してあげて下さい!」
僕は青森次長に連れられて医務室へ向かった。
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