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焦って時計を見るともう9時だった。
接待が終わるのは10時と聞いている。家に着くのは10時半頃だよな‥‥急がないとっ‥‥‥‥
はぁ‥‥はっ‥‥ふぅ‥‥‥はぁ‥‥‥‥‥‥‥ふぅ‥‥‥‥‥
息を吐くように呼吸を整えようとしてもなかなか戻らない。
こんなに苦しいのは初めてだ‥‥‥‥
その時要の携帯のバイブが鳴った。
ブブブブッ‥‥ブブブブッ‥‥
えっ?まさか樹さんじゃないよね?
携帯に出ないでいるとラインが入ってくる。
(風呂か?接待が早めに終わった。要の好きな店で甘いものでも買って帰ろうか?)
いやっ‥‥どうしよう。既読にしちゃった。電話に出ないのもラインの返事しないのも可笑しいよね‥しかももうすぐ帰ってきちゃう!
呼吸も苦しくどうしたら良いのか途方にくれて返事ができずにいると再度電話が鳴った。
はぁ‥‥樹さん‥‥‥‥はっ‥‥‥‥
苦しくて苦しくて涙が流れ続ける。
止まらない電話のバイブに樹さんに助けてほしい焦燥感が募る。その気持ちを必死に抑える。
駄目っ‥‥‥‥‥‥‥‥駄目‥‥‥
ブブブブッ‥ブブブブッ‥‥
ブブブブッ‥‥
駄目‥‥‥‥駄目だ‥‥‥
たすけてっ‥‥‥‥
「い‥‥‥‥‥つき‥さ‥‥‥‥‥‥はぁ‥‥はっ‥‥」
「‥‥‥‥‥!‥‥‥ 要、どうした。」
驚いたはずなのに落ち着いた低い声が聞こえた。
結局助けを求めてしまう弱い僕を‥許して‥‥‥‥‥
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