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過呼吸のまま電話にでた僕に驚きながらも、樹さんはゆっくりとした口調で聞いて来る。
「要。いま家か。」
「はっ‥‥‥‥くぅ‥‥」
「ちっ‥違うんだろ?どこだ。どこに居る。」
「いつっ‥‥‥‥はぁ‥‥‥」
悔しい。名前すら呼べない‥‥。
「一旦切るぞ。ラインで今居る場所を教えろ。すぐしろよ。」
切られた電話が寂しくて、でもラインで伝えないと‥震える手で居場所を伝える。
こんな所に居るって分かったら怒るかな‥心配するかな‥‥‥幻滅するだろうな‥‥‥
***
しばらく経っても過呼吸は良くならず、焦る思いばかりが募る。
樹さん‥‥会いたい‥‥‥でもこんな姿みられたくない‥‥会いたい‥‥‥
バンッ!!!!!
勢い良くドアが開けられた音がする。
「要‥。」
近づいて来た樹さんを見ると汗を滲ませていた。
「くそっ‥‥‥‥こんな格好でっ!一体何があったんだ。とりあえず呼吸を正せ。吸うな、ゆっくり吐け。」
「はっ‥‥はぁ‥‥‥む‥りっ‥‥‥。」
「無理じゃない。要ならできる。さぁ、俺に寄りかかって。」
樹さんは僕を起こすと横に座り、もたれ掛からせてくれた。
背中をさすってくれる樹さんの顔は怖くて見られない‥‥
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