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熱
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「う、っはあ」
声を押し殺しながら、文哉は、自身の部屋に向かおうと、壁に身を任せながら、廊下を直進し、階段を必死に登っていく。
しかし、2階へ差し掛かると、力尽きてしまい、荒い呼吸を繰り返しながら、目的地の数十メートル手前で座り込んでしまった。
―なんで、どうして、治まらないっ!―
ヒジリから受けた行為の影響で、文哉の股間は、完全に熱を持ち、触って欲しいとばかりに主張していた。
触れてみようと、主張する部位に手を運ぶが、なかなか触れる気になれない。
普段から、必要最低限でしか自慰行為をやって来なかったための代償だろう。
両腕で体を包み込み、なんとか欲望を抑えようと奮闘する。
しかし、その思いとは裏腹に、どんどん思いが強まるばかりだ。
ー苦しい。我慢できない。触りたい。でも・・・ー
不安と欲が、文哉の脳裏によぎり、錯綜と混乱で生理的な涙をぽろぽろ流す。
「っひ!ううう、たすけ・・・、っん!」
その時だ。
文哉の左手がグイッと斜め後ろに引かれ、気がついた時には、既に誰かの胸の中にいた。
余りにも低すぎる体温が、今の文哉には、とても心地よく感じる。
浅い呼吸を繰り返しながら、男の胸に顔を埋(うず)め、不意にその主(ぬし)の名前を呼んだ。
「ヒ、ジリっ」
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