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取調べ
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「ぐたぐた言い分けを言うな!お前がスパイなのはお見通しだ!さあ、正直に答えろ!」
「あぐっ……!ち、ちがいま……っ……うぐ!」
僕は訳もわからなく暴力を振るわれた。ついでに顔面を机に無理やり押し当てられていたかった。彼らは端から僕を疑っていた。そして、さらに厳しい取調べが待ち受けていた。
「飛んだ強情もんだコイツ、おい!月野どうする!?」
「ふっ、仕方がありませんねぇ……。素直に吐けば許してあげたのにまったくスパイの癖になんて愚かな。どーれ、もう少し取調べをキツくしてみましょうか?」
「な、何っ……!?」
眼鏡をかけた がり勉風の男が、おもむろに自分の履いていた上履きを脱いだ。そして、その汚い上履きを僕の顔の方に近づけた。
「これは今朝、学園のトイレで自分の上履きの上にオシッコを垂らしてしまった上履きです。少し時間が経っていますが、とても臭いです。さてと、この臭い上履きを今から君の顔に擦り付けてあげましょう」
「やっ、やめろ……!」
「さあ、大人しく本当のことを言いなさい」
「月野それマジか?」
顔面に臭い上履きが悪魔のように近づいてきた。そして眼鏡の男は、皮肉な笑みを浮かべて笑った。その隣でキン肉ムキムキの男が、マジかと言わんばかりの表情で彼の事をみていた。
「だから違います、違いますって……!俺は今日からここの学園に入る新入生です……!」
「新入生だと……!?」
「そうです!嘘だと思うなら生徒手帳を見てください!」
僕が必死でそう言って訴えると彼は目を細めた。そして、二人でコソコソと内緒話をした。僕は再び彼らに向かってスパイじゃないと言い切った。
「なら、証拠だ……!新入生なら、その生徒手帳ってやらを見せて貰おうか!?」
「ぼ、僕を疑っているんですか……!?」
「黙れ小わっぱ!さっさと生徒手帳を出すんだ!」
「うぐっ……!」
がり勉風の眼鏡をかけた男は苛立った口調でそう言うと、いきなり僕の顔を平手打ちで叩いた。両親にも叩かれたこともないのに、他人に叩かれると余計に痛く感じた。キン肉ムキムキの男は彼の命令に従うと、僕の着ている学生服のジャケットを手荒く漁った。
「あった。ほらよ、月野!」
僕の着ているジャケットから生徒手帳を抜き取ると乱暴に放り投げた。そしてそれが彼の手に渡った。
「どれ、本物か見てみようじゃないか?」
「かっ、勝手にどうぞ……!でも、僕はスパイなんかじゃありませんからね!?」
彼は僕の目の前で生徒手帳を開くと、厳しい目つきで中身を確認した。
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