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「あ、そうそう。これキミの?」
「あっ……!?」
彼はそう言って自分のポケットから写真を取り出し、それを僕に見せてきた。
「その写真、僕のです……!」
「やっぱりキミの写真だとおもった。あいつらが、こんな写真を持ってるわけないしね?」
僕は彼から写真を受けとるとホッとした。謌君との写真、僕にはこれしか彼との写真は持っていなかった。あいつらに取られた時は正直あせったけど、またこうして写真を手にできたことが嬉しかった。
「あの、これ取り返してくれたんですか……?」
「ついでだよ。キミにとってそれは大事なものだろ?」
「え……?」
「なんとなくそんな気がしたんだ。そんな古ぼけた写真を今も持ってるなんて、余程キミには大事なんだろそれ?」
彼に突然そんな事を言われると、僕は照れた表情で頷いた。
「はい……!」
「良かったね、大事なものは簡単に手離しちゃダメだよ。いいね?」
「あの……その、ありがとうございます……!」
「どう致しまして。お役に立てたならそれで十分、光栄だよ」
僕は彼から写真を受けとると、大事に胸ポケットの中にしまった。なんだか不思議だった。彼とは初めて会った気がするのにすごく話しやすかった。
「ところでその写真に写ってる彼は?」
「ああ、この人は僕の親友で幼なじみの謌君です!」
「ウタ……?」
「え?」
「いや、何でもない。そう、彼は謌君って言うんだ?」
「はい……!」
「そう言えばキミ、さっき寝言で謌君なんて言ってたな?」
「えっ……!?」
その言葉に僕はドキッとして反応した。
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