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「あれ、言ってなかったけ?僕は永月翠(ナガツキスイ)これでも一応、生徒会の副会長をやっているんだ。何か困ったことがあったら、いつでも僕に相談してきなよ?」
「永月翠……」
彼の名前を聞いた時、ふと思った。名前の翠と言う文字はミドリとも読む。そして彼の瞳は綺麗な緑色だった。きっと名前の由来はそこから来ているのかと思うと、僕は自然と興味が湧いた。
「何、ボーッとしちゃって?僕の顔に何かついてる?」
「えっ……!?いや、何でもないです……!」
「そう?」
僕は知らぬ間に彼の顔をジッと見ていた。そしてそう聞かれた途端、慌てながら視線を反らした。
「変だねキミ。それ天然?」
「僕、天然じゃ……!」
「あっ、そろそろ準備に戻らないと。じゃあ、先に僕は行くよ。キミは後で来なよ?」
翠君はそう言って足早に去ろうとした。僕は急いでる彼に向かって声をかけた。
「あの、僕の名前まだ言ってな……!」
「知ってるよ。間城総太君だろ――?」
「え……?」
「じゃあ、またね!」
彼は去り際に僕の名前を呼んだ。そして、風みたいにあっと言う間に僕の目の前から居なくなった。なんか不思議だった。初めて会ったのに、前にどこかで会ったようなそんなデジャ・ビュを僕は感じた――。
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