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――その一方で、総太に絡んだ二人組の男。月野と田辺は取調べ室で派手に倒れていた。
「お、おっ、おのれぇ……!よくもやったな永月め……!風紀委員長のこの私、月野爾郎(ツキノジロウ)に手を出すとは……!生徒会副会長がこの私に手を出すとはただじゃすまさんぞ……!お飾りの癖に生意気な……!いずれ思い知らせてやる……!おい、聞いてるのか田辺……!?」
月野は倒れた地面に爪を立てると、下唇を噛んで悔しげな表情で喚いた。そして、近くに倒れている田辺に向かって話しかけた。
「ううっ……!わき腹がいてぇ、折れたかも……!息できねぇ、死ぬ……!」
「ど阿呆がまだ死んでないだろ!?」
「いや、死ぬかも……!」
「お前は一々、大袈裟なんだよ!」
「月野怖い……!」
「やかましいこのど阿呆!」
「ううっ……ひどい……」
機嫌が悪い月野はそう言って舌打ちをすると、彼に向かって転がっているゴミを投げつけた。
「ハァハァ……!しまった、そろそろ入学式の時間が……!風紀委員長のこの私が他の生徒よりも遅れをとるなどあってはならないことだ……!それこそ前代未聞だ……!一刻も早く、体育館に行かなくては間に合わなくなる……!」
彼はそう言うと、地べたを這ってドアの前に自力で移動した。
「さっさと起きやがれこのでくの坊が!図体ばかりデカくなって!」
「なあ、でくの坊って俺のことか?」
「貴方以外に他に誰がいますか!?」
「月野カルシウム不足なんかじゃないのか?」
「キィーッ!」
不意に田辺にそう言われると、月野はヒステリックになって喚いた。
「って言うか永月の野郎、この俺様に蹴りを入れるとはマジで頭にきたぞ………!今度あいつにあったらタイマン勝負だ!」
「フン、どうせやるならあのチビも一緒にやっておしまいなさい。もとは言えばこの原因の元は、あのチビが門の前で怪しくうろついていたからですよ。でなきゃ、こんなことにはならなかったハズ。そうだろ田辺?」
「ああ、そうだな月野。あー、クソしてぇ……」
田辺は自分のデカイ体を床に転がしたまま、大の字になって仰向けになった。その近くで月野がフラフラになりながら床から起き上がったのだった。
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