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「それにあのチビは気になりますね……」
「なんだよ、お前そう言う趣味があるのか?」
「ど阿呆が!誰が趣味だ、誰が!」
「イッテェ、蹴んなよ!こう見えて俺、重傷なんだぞ……!?」
月野はギロリと睨むと、転がっている田辺に蹴りを入れた。
「鬱陶しい、転がってないでさっさと起きなさい!モタモタしてると置いていきますからね!?」
「待てよ月野……!」
田辺はデカイ図体を床から起き上がらすと、のそのそと側まで歩いた。月野はドアノブに手をかけると不意に呟いた。
「私が言っているのはあのチビが呼んだ「ウタ」って名前です。もしや、あの「ウタ」じゃないでしょうね?」
「ハッ、まーさーか。それは月野の思い過ごしだろ?」
田辺は傍で言い返すと鼻で笑って答えた。だが、月野は神妙な趣きで黙りこんでいた。
「お前そう言う顔、マジで笑えないぞ?」
「私には笑えないですけどね。仮にあの「ウタ」と彼が何だかんだと繋がっていたなら……!」
「いたなら?」
「それはそれは、楽しい学園生活になりそうです。クククッ」
「月野。お前って奴は本当に……」
田辺は同じく笑うと、悪意を秘めながら二人は其所で笑った。総太は知らぬ間に変なことに巻き込まれているのも知らず。彼は急いで入学式が開かれる体育館へと足早に急いだ――。
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