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体育館の中では、新入生全員が既に入場していた。そして彼らが席に着いた所で、司会者による「国歌斉唱を致しますので、全員ご起立願います」と合図が唱えられた。その合図を皮切りにそこにいた全員で国家斉唱を歌い始めた。まさにこの状況で中に入ったらかなり目立つのは間違い無しだった。だけど僕達には迷っている暇はなかった。僕は意を決して行動に出た。
「おい、この状況で逃げ出すんじゃねーぞ?」
「逃げませんよ、逃げるわけにはいかないでしょ?」
「逃げたら後で校舎裏に呼ぶからな!」
「浅川先生、教師が生徒を校舎裏に呼び出すなんて、ヤンキーじゃあるまいし……」
「うるせー!」
「逃げたら殺す、わかったか?」
「はっ、はい……!」
僕はその言葉に思わず、下をうつ向いて返事をした。
「浅川先生、行きますよ?」
「松本ドジるなよ?」
「ドジたりしませんよ」
「どうだか……」
「二人ともこんな時にやめて下さい……!」
また二人が言い争いを始めそうな雰囲気だったから僕は彼らに釘を刺した。そして、僕達はある作戦を大胆に実行した――。体育館の中で国家斉唱が終わった時、そのタイミングで僕達は中に入った。ガラッと扉が開かれた瞬間、全員が一斉に僕達の方を見てきた。
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