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「んまぁ、それにしても浅川先生。ちょっとタバコ臭くはありませんの?」
「え? そうですか? いや、きっと気の所為だと思いますよ」
「ホントかしらぁ?」
教頭は赤い眼鏡を指先でクイッと上げると、眼鏡の奥をキラーンとさせてジロジロ見た。彼は惚けフリを続けて笑った。
「あっ、校長先生の話が始まりますよ。聞かなくて良いんですか教頭先生?」
「あらやだ、私ったらウッカリしてたわ! 浅川先生も早く自分の場所に戻りなさい」
「ええ、そうします」
その場で上手くやり過ごすと浅川は心愚痴った。
「チッ。さっきのガキの所為で教頭に目をつけられたじゃねーか、あのチビガキ覚えてろよ」
彼はそう言って自分の拳をバキッと鳴らした。その頃、総太は初日で何人かの相手に目をつけられたのも知らずに。自分の席に座って校長の話を聞いていた。
「お前、名前なんて言うんだ?」
「え?」
「俺は羽柴京介。お前と同じクラス。よろしくな!」
隣にいた茶髪の小麦色の肌をした少年は、元気な声で挨拶をしてきた。見た目からヤンチャそうだった。総太は自分の名前を教えると、彼らは握手を交わした。
総太は学園に来て不安だったが、彼と話してるうちに段々と慣れてきた。そして、不意に周りを見渡した。
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