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「も〜! そうちゃんったらママを知らんぷりするなんて酷いわよ! せっかく遥々、息子の入学式にパパと楽しみにして来たのに〜! もー、ホントに悪い子ね~!」
そう言って抱きつくとスリスリして頬擦りした。
「……」
たった今、羽柴の前で惚けたのに。そこに両親が来たことで惚けるにも惚けられなくなった。総太はフリーズして固まるとなすがままにされた。
「なっ、なんかお前も色々と苦労してるんだな……」
羽柴は顔をひきつらせながら半笑いした。
「お願い、ほっといて…――」
そう言って瞳からウルウルと、立ったまま涙を流した。
「あ〜! 狡いぞ総太、璃子ちゃんを独り占めして! ママはパパのものだぞ!」
「アーン、やだったらぁパパったら〜! 人前でそんな事言うなんて照れちゃうじゃないの♡」
「璃子ちゃん綺麗だよ、ママ愛してる♡」
「んもぉ、健ちゃんったら口が上手いんだからぁ!」
二人は人前でも気にせずにイチャイチャして、つっつき合った。
「リコりん、チョイチョイ♡」
「ケンケン、チョイチョイ♡」
指先でお互いをチョイチョイしながら盛り上がると、総太は顔を反らして見ないようにした。羽柴は彼の両親を見ながら口をポカーンとさせた。そして、最後は二人でチューして愛を確かめ合った。両親の余りの呆れた姿に、そこで妹が一言割って入ってきた。
「ママ、パパ! お兄ちゃんが困ってるでしょ!? そう言うのはお家でやりなさいよ!」
小学三年生の娘に叱られると、両親はハッと我に返った。
「理緒ちゃんナイス! お兄ちゃん助かったよ……!」
総太は泣きつくと妹を褒めた。理緒は『エヘン』と言ってVサインをした。
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